コリーダ・ドゥーラ。ペリグロ、ブスカンド、コヒーダ、コンプリカド、ムイ・ディフィシル。L・チャベスが耳には少し足りなかった。

2005年5月11日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場の結果。

 2005年サン・イシドロ第1日目。開始丁度に小雨が1頭目の途中で上がった。曇り時々晴れ。時々風が吹いてやりにくい場面があった。ホセ・エスコラル牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、マルケス・デ・アルバセラーダ(サンタ・コロマ)牧場)。闘牛士、エル・フンディ、ロペス・チャベス、ゴメス・エスコリアル。プレシデンテ、トリニダ・ロペス・パストル。ほぼ満員の観客の入り。ソルのテンディド5バッホにて、Tさん、Yさんと一緒に観戦する。19時開始、20時43分終了。1時間43分と非常に早く終わった。

 エル・フンディは、ホセリート、ホセ・ルイス・ボテと同期のマドリード闘牛学校出身。3人の中で唯一サン・イシドロに出場している。1頭目でバンデリージャを打った。いつもは、トロ・パサードが多いがこの日は良いバンデリージャを打って拍手を受けていた。牛は後ろ脚を引きずっていた。カポーテで鼻面から地面接触して角を突き立てて体が1回転した。バランスが悪いのだ。ファエナは、デレチャッソを繋ぐと膝を着いた。デレチャッソでも牛は体の方を良く観ていたが、ナトゥラルではブスカンドした。カポーテの時からこういう動きだった。牛の前でムレタを左右に振って牛をあしらって剣を代えた。スエルテ・ナトゥラル良いところにメディアで決まった。4頭目は、前脚も後ろ脚もダメな牛だった。ピカの後、馬から牛が離れるたびに膝を着いた。良いファエナになり様がない牛だ。ブスカンドもする。

 ロペス・チャベスは、2頭目に良いファエナをして観客を沸かせた。牛は前脚が弱かった。動きは機敏だがパセの後の返りが早い。だから危ないのだ。ファエナは、膝を折ったデレチャッソから始めたが、ブスカンドする。離れナトゥラルを3回繋いだが、こっちもブスカンドする。離れ、クルサードしてナトゥラル。長いパセが引き出せない。立ち位置、クルサードは良いけど距離がもう少し離れている方が牛が動くはずだ。デレチャッソをするが牛の動きが止まった。それでも危ない牛で何とかしようとしている姿は観客の心を打つ。「オーレ」が鳴り喝采がなった。剣を代えて、スエルテ・ナトゥラルでカイーダで決まった。

 牛が座り弱いペティシオンが起こったが耳は出ない。もし、ナトゥラルで長いパセが3回繋がっていたら耳が出ていただろう。残念だが、距離の取り方を間違えた。それと、手も低くしてパセをした方が良いパセが出来ただろう。ブスカンドする危ない牛でパセの後の返りも早いがそういう物が足りなかった。しかし、バリエンテだ。喝采が鳴り、挨拶をした。5頭目は、非道い牛で、インバリド。何故プレシデンテが牛を交換しなかったのだろうか。この判定に観客を口笛や三拍子の手拍子を打って抗議した。「フェラ・デ・パルコ」のコールも起きた。見る目がないプレシデンテだと闘牛をぶち壊す。

 ゴメス・エスコリアルは、3頭目も6頭目もポルタガジョーラから始めた。売れない闘牛士。何とか観客にアピールしようとする。最後の牛のポルタガジョーラで正面から牛をぶつかる。角が刺さったと思ったが、TVで観ると、牛の左角がラリアットをしていた。担がれてカジェホンからエンフェルメリアの入り口まで来たがタブラに手を掛けて登りアレナの戻った。それは美しい男の姿だ。ブリンディースは、闘牛学校の先輩フンディに捧げられた。これも美しい。が、ファエナは殆ど何も出来なかった。

 3頭目の牛の時も、彼は牛が動く位置に立って牛を誘っていた。本当は距離を取り、クルサードしてムレタを動かして牛の反応を観て誘う距離を探らないといけないのにそういう手続きをしていないから牛との距離を間違えている。だから、もう少し動く牛なのに良いパセを引き出せなかった。もっと冷静に牛と対話するようにパセをしないとここまま終わってしまうだろう。

 ホセ・エスコラル牧場の牛は、ビクトリーノ・マルティンと同じ血統。脚に欠陥がある牛ばかりなのは、牧場の管理が悪いからだろう。パセの後の返りが早い、ブスカンドする。コリーダ・ドゥーラは危険で、トレアールするのは非常に難しいのだ。それをちゃんと操れば、道が開けるのに・・・。


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