その牛は、ナトゥラルだろう。エル・シド、コヒーダ。

2003年5月10日マドリード、ラス・ベンタス闘牛場(第1級闘牛場)の結果。

 雨上がりで曇り空のラス・ベンタス闘牛場。セレスティーノ・クアドリ牧場。ソブレロは、エル・セラノ牧場。闘牛士、フラスクエロ、エル・シド、ハビエル・カスターニョ。ほぼ満員。テンディド6でYさんTさんと観戦す。

 フラスクエロは、最低だった。2頭ともブスカンドする牛だったが殆ど何もしなかった。4頭目はパセの後の返りも早く怖がった。パセをすれば遠くを通しクルサードも不足。

 エル・シドは、2頭目の牛が左角が良い牛だったのにナトゥラルを繋げられず牛をダメにした。勿体ない。判ってないな君は。5頭目の牛は危ない牛でナトゥラルの時にコヒーダされた。長いパセが繋がりだしたときだった。替わったフラスクエロは全然ダメ。何も出来ずに剣はピンチャソ5回。牛が座りプンティージャ10回。全然決まらず替わったプンティジェロも3回。凄い罵声と口笛が鳴った。

 ハビエル・カスターニョは、1番まとも。3頭目の牛では動かない牛を相手に何度も何度もクルサードを繰り返して丁寧にファエナをした。最後の牛も動かなかった。クルサードしても牛はムレタに向かってこない。危ない牛で観客は恐怖を感じた。それでも丁寧にクルサードを繰り返しパセを何とか繋ごうとしたが牛は全く動かなかった。早く剣を刺せよという雰囲気が闘牛場に漂っていたがそれでもしつこくクルサードを繰り返した。観客は半ば彼の勇気とそのしつこさに呆れてもうファエナを終わらせるように口笛を吹いた。剣を代えてからもナトゥラルを繋ごうとするとまた口笛が吹かれた。今年はたった1回の出場。何とか良いところを見せようと努めたがそれは叶わなかった。2000年のサン・イシドロの最優秀見習い闘牛士。セサル・リンコンのエル・トレオン牧場の牛でグラン・ファエナを2回やった。あの時は本当に凄かった。


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