2000年サン・イシドロ報告

−−−東京闘牛の会(TTT)2000年7月定例会報告−−−

por 斎藤祐司

サン・イシドロ祭報告は、4つの闘牛のビデオを流した。

 その前に、今年のコヒーダを4つ。エル・カリファ、ファン・モラ、エル・コルドベス、フランシスコ・エスプラ。エスプラの脳震とうシーンにはビックリしていた。あんなに見事に気を失ったのを始めてみただろう。

そして、6月2日、ミゲル・アベジャンの1頭目。右太股の傷口が歩く度にパクパク動く。20cm位の角傷。脚を引きずりながらのファエナになった。耳を取って場内一周するまで医務室に行かない。
 
次が、今年のメホール・トロになった、アドルフォ・マルティンの牛を相手にしたオスカル・イガレス。ピカを受けても牛が口を開けない。剣が入ってもそうだった。死ぬまでそうだった。オスカルの腕よりも牛の良さに助けられた耳1枚だった。

 3つ目が、6月2日、ミゲル・アベジャンの3頭目。医務室から出てきて、ブルラデロからポルタガジョーラまで歩いていって両膝を着いて牛を待つ。牛の動きが悪く上手くラルガ・カンビアールが出来なかった。でもそれからベロニカを繋ぐとオーレがコダマした。カポーテから観客を沸かせて、ムレタでも中央で背中を通すパセから始め、オーレをならせた。
 これは理屈ではない。人間の中にある原初的(片山先生が言うには、最近は原始的とは言わないと言う)なものを揺さぶるファエナだ。胸が苦しくなる。泣いている人が複数いた。コヒーダされて頭から落ちてもまた立って牛に向かう。TVアナウンサーが、「Cai`do de cabeza.・・・ Esta`n torero conmosionado. Pero corazon no le caberen pecho. no caberen pecho.」(頭から落ちた。・・・闘牛士は脳震とうを起こしている。しかし、肝っ玉は胸に納まらないくらいでかい。)と、言っていた。

 4つ目は、エル・カリファ。手の低いパセ。特にナトゥラルが凄い。距離の取り方もぴったり。素晴らしいファエナだった。今年の最優秀闘牛士になった。


http://www2u.biglobe.ne.jp/~tougyuu/以下のHPの著作権は、斎藤祐司のものです。勝手に転載、または使用することを禁止する。


TTTホームに戻る  定例会の報告へ戻る

ホームに戻る