闘牛はなぜ殺されるか

 

報告者:佐伯泰英  記述:足立由香里、斎藤祐司、安井牧。

 写真家の佐伯さんは、昨年秋に新潮選書から同名の本を出版。20数年前にも平凡社から「闘牛」を出版しています。「闘牛」を出したときは、日本での反応はほとんど無で、ファンレターかと喜んで封をあけると、動物虐待反対の文字。今では闘牛同好会があり、人前で闘牛の話ができるなんて、ずいぶんと変わりました・・・で始まり、カメラ片手にひたすら闘牛を追っていた1970年代の闘牛のことを中心に、闘牛士との出会いと死、闘牛おっかけの体力とお金の苦労、いつしか身につけたタダでカメラマン席に入る術など、興味深い体験談を語ってくれました。最後は、闘牛はスペインで育まれた文化であり芸術だから日本ではやらない方がいい、で締めくくり、この続きはまたいつか、と第2弾の約束をするとコートの裾をカポーテのごとく翻して風のように去っていかれました。ブラボー!ブラボー! (足立由香里)


  以前、平凡社から『闘牛』を出した時は、殆ど反応がなかったが、今回は、動物愛護者から闘牛反対の脅しに近い意見や、動物虐待法の研究者からの手紙、そして今回、闘牛の会に呼ばれた。闘牛に対して色々な意味で関心が増して来ている。
 闘牛を見始めた頃、3つの死に出会う。ホアキン・カミノ(パコの弟)葬式。明るいアンダルシアの日差しの中を歩いて家にはいる。暗がりに目が慣れてくると棺があった。すすり泣きの声がし、そこに黙って立っているとパコがいた。lo siento mucho と言うと、黙って抱きついて背中をたたいた。A・ビエンベニーダが2歳牛相手のティエンタでの死。そしてパキーリの死。佐伯さんは目を赤くしながら熱く語った。  (斎藤祐司)


 闘牛に興味を持ち始めたころ佐伯さんが書かれた、その名もずばり「闘牛」が読みたくて、色々探したのですが手に入らず、国会図書に通ったのを思い出しました。もうそれも10年ちょっと前。憧れの先生のお話が聞けるなんてTTTに入ってほんとに良かった!!闘牛の話しはもちろん、スペイン生活で出会われた個性的な人達の話しも、私の帰西(スペイン)本能を刺激してくれました。  (安井牧)

 

『闘牛はなぜ殺されるか』 佐伯泰英 著  新潮選書  1300円  98年刊行。


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