por 斎藤祐司
今日一番の楽しみにしていたのが、9月26日フランスのニームで行われたエル・フリのアルテルナティーバのビデオです。
まあーカポーテ技が凄いのは話には聞いていたけど、今年のサン・イシドロ祭のミゲル・アベジャンのカポーテ技が霞んでしまう。これは物が違う。次元が違う。この日の為に取っておいた新しいカポーテ技を披露した。
腰のあたりに両手でカポーテを畳むようにして持って、右側で上下にカポーテを振って牛を誘い、そのカポーテがいつの間にか左側に変わっていて、牛をパセした。なんて言う技なのか知らない。解説のロベルト・ドミンゲスもアナウンサーのフェルナンド・フェルナンデスも知らなかった。驚きと共に嬉しそうな声を上げていた。
カポーテ技のバリエーションの凄さ、切れ、牛の動きを良く知っている事が分かる。ムレタもちゃんとクルサードしてやっているし、これは本物だと言うことが分かる。そして、楽しい闘牛なのだ。通にも分かるし、女、子供にも分かる闘牛だ。
パセ・デ・ペチョも、エウヘニオ・デ・モラの様な角度のある、牛を良く廻す事が出来ている素晴らしい物だっだ。
エル・フリを一言で言うならば「21世紀の闘牛」
新鮮で、活きが良く、創造性が豊かで、楽しい闘牛。今年スペインで43回のプエルタ・グランデをした16歳の少年は、21世紀の闘牛の雰囲気を、いや、闘牛そのものを変えてしまうかも知れない可能性を持っているように思える。 18-Oct-98
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