結婚式の必需品・・・映画の用例から・・・

 今回の唄は、映画の中での用例も多い。たとえば、『バード・オン・ワイヤー』<Bird on a Wire> (1990.US)は、メル・ギブソンとゴールディ・ホーン共演のサスペンス映画だが、そのエンディングで、リック(ギブソン)はマリアンヌ(ホーン)にこう言っている。

RICK:You've heard that expression. Something old, something new, something borrowed and something...

MARIANNE:Blue!

リック:あの言い伝えを聞いたことがあるだろ。古いものに新しいもの。借りたものに...。

マリアンヌ:青いもの!

 ここでは、この言い伝えを口にすることが、プロポーズの代わりになっているのだ。

 また、スリラー・コメディの『毒薬と老嬢』 <Arsenic and Old Lace> (1944.US)でも、市役所で結婚を申請する場面で、ケーリー・グラントがこの唄をつぶやいていた。

  友人が用意することも ・・・

 一方、花嫁ではなく、友人がこの4つの品を用意することもある。たとえば、ウィリアム・ホールデンとキム・ノバク共演の『ピクニック』 <Picnic> (1955.US)では...。

IRMA:You've gotta wear something old.

ROSEMARY:Nylons.

CHRISTINA:Something new?

ROSEMARY:My new handbag.

CHRISTINA:Something borrowed?

ROSEMARY:Oh, thank you.

IRMA:Oh! I don't see anything blue.

イルマ:何か古いものを身に付けなきゃ。

ローズマリー:ストッキング。

クリスティーナ:何か新しいものは?

ローズマリー:新しいハンドバッグが。

クリスティーナ:借りたものは?

ローズマリー:ありがとう。

イルマ:あら、青いものがないじゃない。

 これは、ピクニックの翌日、マッジ(ノバク)の家に下宿しているローズマリーの結婚が決まり、イルマとクリスティーナが喜ぶ場面である。

 急に決まった結婚のため準備不足のローズマリーを心配して、友人2人が急いで4つの品を用意しているのだ。

『イン・ハー・シューズ 』 In Her Shoes (2005.US) にも、でてきます。

対照的な姉のローズ(トニ・コレット)と妹のマギー(キャメロン・ディアス)が恋に仕事に、それぞれの人生の転機を迎える姿を描いたヒューマンドラマ。

以下は、映画の後半で、祖母のエラ(シャーリー・マクレーン)が結婚式を迎えるローズに自分の靴を貸す場面。

この映画には、靴(シューズ)が人生の象徴として何度も登場しているので、映画のタイトルにもなったのだろう。

ELLA: I wore them in 1952.
ROSE:
Old.
ELLA: But not to you.
ROSE: Right.
ELLA. And if I didn't give them to you?
ROSE:
Borrowed.
ELLA: Okay. Look at the flowers.
ROSE:
Blue.
ELLA: Yeah.


エラ:1952年の私の結婚式に履いた靴よ。
ローズ:
『古いもの』ね。
エラ:あなたのではないのよ。
ローズ:ええ。
エラ: あなたにはあげるわけではないのよ。
ローズ:
『借りたのもの』
エラ:そうよ。花の模様を見て。
ローズ:
『青いもの』
エラ:そう。

 また、シャーロット・アームストロングの小説『サムシング・ブルー』Something Blue (1962)にも、主人公の結婚に際して、友人が4つの品を用意する場面がある。

 おばさんに譲ってもらったブローチが「古いもの」、貸してもらった新しいハンカチが「新しいもの、借りたもの」、そして「青いもの」が事件解決のキーワードとなる、という筋書きのミステリーであった。

インターネット上でも、この唄が・・・        

 インターネット上のブライダル関係のサイトには、よくこの唄が載っている。唄の意味を解説し、幸せな花嫁になるために、4つ(または5つ)の品を身につけましょうと説いているのだ。

 中には、'A Must For Evey Bride!!!' というコピーとともに「本物の6ペンス硬貨」を7ドルで通販しているサイトまである。

こちらに、この唄に関するサイトをまとめて載せてあります。