読書記録
2001-2002年の読書記録
『オーストリア史』 エーリヒ・ツェルナー著 リンツビヒラ裕美訳 2000 彩流社 |
オーストリア史を研究する上での基本書の翻訳。現在僕が受けている講義のすべてで参考文献に挙げられています。また、近現代史の基本書としては”Sozialgeschichete Oesterreich”がありますが、こちらの翻訳はまだされていないようです。
『ポストコロニアル』 小森陽一著 2001 岩波書店 |
Postkolonialismus のゼミで日本のポストコロニアルというテーマで発表することになったため急遽、読んだ本。日本の明治維新から現代までをPostcolonialというキーワードで捉えなおした本。興味深かったのは、福沢諭吉の「文明」「半開」「野蛮」の理論。興味のある方はぜひどうぞ。
『空海の風景』 司馬遼太郎著 1978 中公文庫 686 743 |
最後の遣唐使船に乗って、密教を日本にもたらした空海の思想と生涯を描いた大作。2001年の秋にはこの本を題材としたスペシャル番組がNHKで放映された。司馬氏の読みやすい文体によって空海の生きた時代にタイムスリップした気がした。
『言語政策とは何か』 ルイ=ジャン・カルヴェ著 西山教行訳 2000 白水社 文庫クセジュ 829 |
タイトルどおり、言語政策に関して書かれた本。新書サイズではあるが、言語政策の理論から実践までを詳しくまとめあげてある。巻末の参考文献表もかなりの数があり、言語政策を研究する人には必携の一冊。
1999-2000年に読書記録
『山椒魚戦争』カレル・チャペック著 栗栖 継訳 1998 早川書房 <早川文庫SF1252> |
チェコの巨匠チャペックが書く仮想世界。知性を持ったヌルヌルクネクネの山椒魚を見つけた人類は、彼らを労働力として使い出しますが・・・・。山椒魚の描写がとってもとっても、かあいいです。でも、人間って、愚かですよね。チャペックの作品で『R.U.R. ロボット』って言うのもあります。この作品の場合はロボットが・・・。両作品ともに人類への警告を発しているようですね。
『アナザヘブン 上・下』 飯田譲治・梓河人著 1999 角川書店 <角川ホラー文庫> |
テレビ朝日系のドラマや、映画で、話題の作品。うーん脳みそを使った料理の描写がなんとも・・・。お食事中には読まないように・・・(笑)。でも、あの終わり方はなんだかなあって感じですね。もうちょっとひねりがほしかった。
『ヒカルの碁 @〜I』 原作:ほったゆみ 漫画:小畑健 監修:梅沢由香里二段(日本棋院) 1999 集英社 <ジャンプコミックス> |
「囲碁が漫画のネタになるなんて・・・どんな話か触りだけ読もうと購入しましたが・・・。結構面白い。果たして、囲碁ブームを引き起こせるか?囲碁ファンは読んだほうがいいかも・・・。」などと6巻が出たころにこのページに書いていたら、本当に売れているらしい。さて、後はこのブームがどこまで続くかな?期待大!!
『死者の学園祭』 赤川次郎著 昭和53年 角川書店 |
久々に良い推理小説を読んだという感じ。読み始めたときは推理小説だとは思わんかった(苦笑)
『仮面学園』 宗田理著 1999 角川書店 |
eメールやチャットなど匿名性の社会への風刺という感じがした。
『バトルロワイヤル』 高見広春著 1999 太田出版 |
うーん、死体の描写がなんともいえません。でも、問題になるほどのものではないのでは?作品自体は良いできです。
『きりひと讃歌』 手塚治虫著 1994 小学館 小学館文庫 |
終わり方がどうもぱっとしないなあ・・・・
『「スターリン言語学」精読』 2000 岩波書店 岩波現代文庫 |
民族と共産主義の関係についてかかれた本、わかりやすく書かれていて入門書としては良い。
『仮面学園2』 宗田理著 2000 角川書店 |
『仮面学園』の続編です。前作とあまり変わった気がしないなあ・・・。
『社会生物学論争ー生物学は人間をどこまで説明できるか』 ゲオルグ・ブロイアー著 垂水雄二訳 1988 どうぶつ社 |
自然科学である生物学を社会学や人文科学に応用しようとする社会生物学に関する本。
最初はうさん臭い感じがしたけど、ちゃんとした学問みたいです。
『図書館の死体』 ジェフ・アボット著 佐藤耕士訳 早川書房 早川ミステリアス・プレス |
アメリカの公共図書館を舞台としたミステリー。図書館を舞台にした小説探していたら見つけました。
なかなかよいできです。
『金髪の草原』 大島弓子著 2000 朝日ソノラマ |
同題の映画を観た後、読みたくなって買ったんですが、心が温まりました。映画のほうが、ちょっとボリュームがあるって感じですけどね。
『素子の読書アラカルト』 新井素子著 2000 中央公論新社 |
新井素子さんが読んだ本についてのエッセイです。っていうか素子さんの読んだ本をもとにして、そこから彼女が発想したことを書いて行く本です。エッセイです、マジで・・・。
『チグリスとユーフラテス』 新井素子著 2000 集英社 |
久々の長編で、ファンとしてはうれしい限りです。少女の心をもった老婆の描写がよかったです。そういえば『金髪の草原』は少年の心をもった老人の話でしたね。そういう意味では、新井素子版『金髪の少女』(謎)
『日本文化の歴史』 尾藤正英著 2000 岩波書店 岩波文庫 |
友人に進められて読みました。日本文化史がわかりやすくかかれていて、勉強になりました。
『マンスリー・プラネット』 横山えいじ著 2000 早川書房 早川文庫 |
横山えいじさんの漫画って「なんか懐かしい」ってかんじがしていいですよね。ほのぼのって言うのでしょうか?
『イラスト 西洋哲学史』 小坂修平著 1984 宝島社 |
西洋哲学についてイラスト入りで解説した本。読みやすいのですが、こういう本で勉強するって言うのはどうなのかな?でも、知識を得るにはよいとおもいます。
『論理学』 野矢茂樹著 1994 東京大学出版会 |
論理学について基礎から解説している本。対話形式を盛り込むなどして、読者にわかりやすくしている。命題とかを苦手にしている人にはお勧めかな?