Windowsの歴史
西暦 |
MS-DOS系 |
Windows9x系 |
WindowsNT系 |
1981 |
MS-DOS1.0 |
||
1983 |
MS-DOS2.0 |
Windows1.0 |
|
1984 |
MS-DOS3.0 |
||
1987 |
Windows2.0 |
||
1988 |
MS-DOS4.0 |
|
|
1989 |
Windows/386 2.0 |
||
1990 |
Windows3.0 |
||
1991 |
MS-DOS5.0 |
Windows3.1 |
|
1993 |
MS-DOS6.0 |
WindowsNT3.1 |
|
1995 |
Windows95 |
||
1997 |
Windows95 OSR2 |
||
1998 |
Windows98 |
WindowsNT4.0 |
|
1999 |
Windows98SE |
||
2000 |
WindowsMe |
Windows2000 |
|
2001 |
WindowsXP |
Windowsのご先祖様といえばMS-DOS(又はPC-DOS)ということはよく知られています。
このMS-DOSは、1981年にIBMから発売されたIBM PCに採用されてからその歴史が始まります。このPCの開発に時間がなかったIBMはOSとCPUを外部から調達する事になりました。CPUはインテルを採用しましたが、OSは最初、ディジタル・リサーチ社のCP/MというOSの採用を考えていました。ところが交渉が不調に終わり、Microsoftが担当する事になりました。このような経緯で誕生したのがPC-DOS1.0ですが、このOSはMicrosoft社が一から作ったものではなく、CP/Mを真似て作った代物でした。ところがCP/Mより安かったため、DOSが一気にシェアを確保してしまいました。
その後、時代を先行くMacintoshがApple Computerから発売されました。それを見たMicrosoftのビル・ゲイツは、AppleにIBM
PCで動くMac OSの開発を持ちかけましたが、Appleはハードウェアとソフトウェアの融合を考えていましたから、その話を蹴ってしまいました。ゲイツは将来のOSはMacのようなGUIであることを確信し、Windows開発プロジェクトを発足しました。
最初のバージョンWindows1.0が発表されたのが1985年でした。しかし、対応するソフトウェアがなく、また、非常に動作が遅くバグだらけで一般には受け入れられませんでした。
それと同時に、IBMと次世代OS「OS/2」の開発も始めていました。当初はWindowsはOS/2までの繋ぎのものとして考えられていました。
1987年にOS/2 Ver1.0が発表されましたが、全く市場に受け入れられませんでした。非常に優れた機能を持つOSでしたが、インテルのCPU、i80286でしか動作せず、当時としてはかなりのハイスペックを要求したからです。また、i80286に特化したため、その当時既に売られていた80386や80486などの高速なCPUで使えないという矛盾もありました。
1990年にアメリカでWindows3.0が、そして1992年に日本でWindows3.1が発表されてからWindowsが一気に普及し始めました。そのころからMicrosoftとIBMの間で主導権争いがあり、共同開発が打ち切られてしまいました。
しかし、OS/2は非常に優れた部分があったので、Microsoftは独自にOS/2の開発に入りました。同時にIBMもOS/2の開発を独自で続けました。
当初はOS/2 Ver3.0として共同開発する予定だったOS/2をMicrosoftはWindowsベースのOSとして開発し、1993年にWindowsNT3.1を発表しました。IBMはその後OS/2を独自に拡張して現在のOS/2
Warpへと発展していきます。
このような経緯で発展してきたWindows NTですが、NTは当初から32ビットOSとして開発されてきました。ところが、みなさんがお使いのWindows95/98はそれとは別の経緯で開発されました。
Windowsを一気に普及させた3.1ですが、これはOSと言い切れない代物でした。あくまでも文字ベースのMS-DOS上で動作する一つのアプリケーションのようなものでした。ですから、16ビットですし、様々な制限がありました。特に、メモリが非常に少なくハードディスクもないような時代のOSが土台になっていますから、大容量のメモリやハードディスクを有効に利用することができませんでした。
そこで、WindowsNT4.0の開発に乗り出します。WindowsNTでは完全に32ビットのOSで、DOSとの互換性を多少犠牲にしてでも最先端の機能を盛り込む予定でした。ところが、開発が難航し、何度も発表時期の修正を行ってきました。あまりにも遅くなるとユーザーが他のOSに逃げてしまいます。そこで、妥協案として、Windows95の開発を始めました。Windows95は、過去の資産を生かしつつ、できるだけ最新の機能を盛りこみ、そのうちNT4.0が完成したらそちらをメインのOSとして乗り換えてもらおうと思っていました。
ところが、実際にWindows95を発表すると売れてしまいました。更にWindows95対応のソフトウェアも次々と発売され、NTに移行してもらえにくい状況になってしまいました。
NTは最先端の技術の提供を実現するために敢えて16ビットのMD-DOS時代との互換性を犠牲にしてでもという考えで作られました。片やWindows95はWindows3.1ユーザーからのアップグレードを狙って作られましたから、多少最新技術の導入を犠牲にしてでもDOSとの互換性を最優先という考えで作られました。そのWindows95が爆発的に売れてしまったのですから、Microsoftは困ってしまいました。
MicrosoftはWindowsNT5.0で95ユーザーを一気に移行させようという新たな方針を打ち出しました。しかし、そのためには今度はWindows95との互換性を確保する必要がありました。そのNT5.0も前例にもれず、開発が遅れました。そこで、もう一度繋ぎとしてWindows98を発表しました。Microsoft社はWindows95系のOSは98で打ち止めだいう内容の発表をしました。しかし、NT5.0が予想以上に95/98との互換性の確保に苦労し、結局、完全な互換性を確保できないまま2000を発表しました。そこで、もう一度95/98ベースのOSを開発する事になりました。そして、16ビットコア最後のOSであるWindowsMeを発表しました。
Microsoftが手がけたWindowsの16ビットコアの集大成のOSになり、Windows98のサードエディションと言う位置付けのOSで、システムの復元やマルチメディアの強化、インターネットの簡易化がポイントに
なります。しかし、16ビットコアのOSはメモリが128MB以上になると有効活用できなくなると言う問題点があって、そのわりにはメモリをかなり消費してしまうという、ある意味不安定なOSになってしまった感じがします。
そしてとうとう、Windwos2000の後継ともいわれるWindowsXPが発表されました。
ここで一般向けパソコンにも大量に導入されるようになり、完全に95系ユーザー統合に成功しました。
まだ95/98系との互換が完全ではないものの、かなり互換度も上がり、安定感が増しました。
次期Windows(開発コード名: Blackcomb)では、この互換や安定性、マルチメディアの強化などが課題に
なってくると考えられます.
しかし、これは余談になりますけれど、もう少し価格を安くしてもらいたいものですね…