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保証協会

2 保証協会

営業保証金の額は最低でも1,000万円であり,このような高額な金額が担保として塩漬けにされるのでは,取引をスムースにする点ではマイナスだ(1,000万円を営業活動に利用すれば世の中にその分,宅地建物が供給される)。そこで宅建業法は,保証協会という業界団体を公認し,保証協会の社員(会員)になれば,営業保証金を供託しなくても,団体保証によって,営業保証金を供託した場合と全く同じ保証をお客さんに与えることができるようにした。つまり,宅建業者は営業保証金の代わりに弁済業務保証金分担金という名前の担保を保証協会に納付し保証協会の社員になれば,営業保証金を供託しなくてもよいようにした。


弁済業務保証金分担金はいくらか

(1)
弁済業務保証金分担金の額は,主たる事務所(本店)及びその他の事務所(支店)ごとに,政令で定める額とされる。
政令で定める具体的な金額は,次の通り。
・主たる事務所は60万円
・その他の事務所は事務所ごとに1ヵ所30万円
つまり,弁済業務保証金分担金の総額は,営業保証金を供託した場合の6%(50分の3)で済む。

(2)
弁済業務保証金分担金を納付する先は保証協会。
弁済業務保証金分担金の納付は,保証協会の社員になろうとする日(保証協会に加入しようとする日)までに,しなければならない。

(3)
弁済業務保証金分担金の保証協会への納付は,金銭に限られる。営業保証金のように国債証券,地方債証券などの有価証券では納付できない。


弁済業務保証金

(1)
弁済業務保証金分担金の納付を受けた保証協会は,宅建業者が納付した弁済業務保証金分担金と同じ金額を,納付を受けた日から1週間以内に,供託所に供託する必要がある。これが弁済業務保証金だ。図式するとこうなる。

マトメ集 宅建業法図07-01

つまり,宅建業者が保証協会の社員になると,宅建業者が納付した弁済業務保証金分担金という名前の入会金を,保証協会が預からないで,そのまま保証協会が供託所に担保として預けるシステムだ。保証協会が供託所に担保として預けると,弁済業務保証金分担金は弁済業務保証金という名前に変わるわけ。

(2)
保証協会が弁済業務保証金を供託する供託所は,法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所。

(3)
弁済業務保証金の供託は金銭に限られない。国土交通省令で定める有価証券で供託することもできる。国債証券,地方債証券,その他の有価証券(電信電話債券など)が国土交通省令で定められている。
以上述べた有価証券と金銭を併用して,あるいは100%有価証券で弁済業務保証金を供託することもできる。

(4)
有価証券で供託する場合は,信用力の差から,金銭と同じようには評価されない(国債証券で供託する場合を除く)。具体的な評価額は次の通り。
①国債証券は,額面金額通り(100%)
②地方債証券又は政府がその債務について保証契約をした債券は,額面金額の90%
③①②以外の債券(例:電信電話債券)は,額面金額の80%


事業を開始できる時期

(1)
保証協会の社員である宅建業者は,弁済業務保証金分担金を保証協会に納付すれば,その旨を免許権者に届け出なくても,事業を開始できる。

(2)
保証協会の社員である宅建業者が,弁済業務保証金分担金を保証協会に納付して事業を開始した後で,事務所が増えた場合は,次のように取り扱われる。
①新設事務所の弁済業務保証金分担金の納付金額は,事務所ごとに1ヵ所30万円。その新設事務所を設置した日から2週間以内に納付する必要がある。これを怠ると,宅建業者は社員の地位を失う。
②新設事務所の弁済業務保証金分担金を納付する所は,保証協会。
③新設事務所の弁済業務保証金分担金の納付を受けた保証協会は,宅建業者が納付した弁済業務保証金分担金と同じ金額を,納付を受けた日から1週間以内に,供託所に供託する必要がある。


弁済業務保証金の還付

(1)
弁済業務保証金の還付(かんぷ)とは,宅建業者が倒産して,お客さんから預かったお金を返せなくなった場合に,お客さんが,弁済業務保証金から弁済(弁償)してもらうこと。

(2)
弁済業務保証金から還付を受けることができるのは,宅建業に関する取引により生じた債権を持っている者(宅建業者を除く),つまり不動産屋さんの非業者のお客さんだ。

平成29年4月1日から、不動産取引により被害をこうむった一般消費者を確実に救済するために、弁済業務保証金の弁済対象から、宅建業者が除外された。

宅建業者との取引により生じた債権であっても,例えば広告業者の広告代金債権などは「宅建業に関する取引により生じた債権」ではないので,広告業者は,弁済業務保証金から還付を受けることができない。

(3)
宅建業に関する取引により生じた債権を持っているお客さんが,弁済業務保証金から還付を受ける場合は,保証協会の認証(迷惑をかけたあの宅建業者は確かにうちの社員であり債務額は何円だという確認行為)を受ける必要がある。

(4)
宅建業に関する取引により生じた債権を持っているお客さんが,弁済業務保証金から還付を受けることができる金額の限度額は,その宅建業者が社員でないとしたら供託すべき営業保証金に相当する額の範囲。

(5)
弁済業務保証金の還付が実際に行われたことで,弁済業務保証金が政令で定める額より不足したときは,次のように扱われる。
①保証協会は,法務省令・国土交通省令で定める日から2週間以内に,還付された額に相当する弁済業務保証金を供託所に供託する必要がある。
②保証協会は,社員または社員だった者に,還付額に相当する金額(還付充当金)を,保証協会に納付すべきことを通知する必要がある。
③社員または社員だった者は,②の通知を受けた日から2週間以内に,通知された額と同額の還付充当金を保証協会に納付する必要がある。これを怠ると,社員である宅建業者は社員の地位を失う。

(6)
宅建業に関する取引により生じた債権を持っているお客さんは,その宅建業者が保証協会の社員となる前に生じた債権についても,弁済業務保証金から還付を受けることができる。逆にいうと,保証協会は,その業者が社員となる前にお客さんが取得した債権についても,弁済義務を負うことになる。


弁済業務保証金の取戻し

(1)
弁済業務保証金の取戻(とりもど)しとは,弁済業務保証金を供託しておく必要がなくなった場合に,保証協会が,供託所に預けておいた弁済業務保証金を返してもらうことをいう。

(2)
保証協会は,次の場合に「弁済業務保証金を供託しておく必要がなくなった」と言えるので,弁済業務保証金を取り戻せる。
①社員が社員の地位を失ったとき
②社員が一部の事務所を廃止したため,弁済業務保証金が政令で定める額を超過することになったとき
…この場合は,超過額だけを取り戻せる。
なお,社員が社員の地位を失っても,宅建業を続けることはできる。営業保証金を担保とすればよい。
そこで,宅建業者が社員の地位を失ったときは,社員の地位を失った日から1週間以内に,営業保証金を供託し,その旨を免許権者に届け出なければならないことになっている。

(3)
弁済業務保証金の取戻しは,すぐにはできないのが原則。つまり,弁済業務保証金は,還付請求権者(お客さん)に対して6ヶ月を下らない一定期間内に保証協会の認証を受けることの申出をすべき旨を公告し,その期間内にその申出がなかった場合でなければ,取り戻せないのが原則だ。(2)の①の場合がそうだ。
ただし,(2)の②の場合は,上のような公告をしないでも,還付請求権者に迷惑をかけないので,直ちに弁済業務保証金を取り戻せる。


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