印紙税の税額

2 印紙税の税額

印紙税の税額は,課税標準×税率=税額という式で求めることができる。


課税標準と税率

(1)
印紙税法では,別表第1というところで,課税標準×税率=税額の答えをあらかじめ表にしてあり,印紙税は課税文書に記載された記載金額に応じて納税すべきものとしている。
したがって,印紙税の税額は,課税文書に記載された『記載金額』によって決まり,他の税金のように課税標準×税率という式が実際に使われることはない。

(2)
印紙税の税額は,課税文書に記載された『記載金額』によって決まるが,これを課税文書ごとにもう少し具体的に言うと,次のようになる。
①不動産の譲渡に関する契約書(不動産の売買契約書,不動産の贈与契約書,不動産の交換契約書など)の記載金額は,契約金額による。
②土地の賃借権設定に関する契約書(地上権の設定に関する契約書を含む)の記載金額は,契約に際して借主が貸主に交付するもので後日の返還が予定されていないもの(例:権利金,地上権設定の対価など)の金額による。
したがって,賃料や地代は記載金額に含まれない。
また,保証金も後日の返還が予定されているので記載金額に含まれない。
③請負に関する契約書の記載金額は,役務の提供の対価の額(請負人の報酬額)による。

(3)
(2)①で書いたように,不動産の売買契約書,不動産の贈与契約書,不動産の交換契約書などの不動産の譲渡に関する契約書の記載金額は契約金額によるが,これに関しては,次の点も抑えておこう。
①贈与契約はタダであげる契約なので,不動産の贈与契約書には契約金額がない。そこで,不動産の贈与契約書は,記載金額がないものとして印紙税が課税される。
②評価額が違う不動産を交換した場合の不動産交換契約書の契約金額は,評価額が高い方の金額になる。したがって,評価額が高い方の金額を記載金額として,印紙税が課税される。
③不動産の譲渡に関する契約書に記載された契約金額が不明な場合は,記載されている単価・数量によりその契約金額を算出できるときは,その計算によって算出した金額が記載金額となる。
④不動産の譲渡に関する契約書に記載された契約金額を「増額変更」した契約書は,増額部分を記載金額として,印紙税が課税される。
⑤不動産の譲渡に関する契約書に記載された契約金額を「減額変更」した契約書は,記載金額がないものとして,印紙税が課税される。


税額

(1)
課税文書に記載された『記載金額』によって決った印紙税の税額は,印紙納付するのが原則だ。
ただし,一時に多数の課税文書を作成する場合などについては,例外的に,所轄の税務署長の承認を受けて,現金納付することができる。

(2)
納税額に不足があったことが判明した場合は,所轄の税務署長が,不足額を追徴できる。この場合,
不足額と不足額の2倍に相当する金額との合計額とを過怠税(かたいぜい)として徴収できるのが,原則だ。
②ただし,課税文書の作成者が自主的に所轄税務署長に対して,印紙税を納付していない旨の申出をした場合は,過怠税は,不足額と不足額の1割に相当する金額との合計額になる。
③印紙に消印しなかった場合は,その印紙の額面金額が過怠税となる。

(3)
(2)の過怠税の合計額が1,000円未満のときは1,000円を納める必要がある。
つまり,過怠税の最低税額は1,000円だ。ただし,(2)の②の場合は,最低税額1,000円の適用はない。

(4)
印紙税を全然納めなかったとしても,課税文書の財産権に関する事項を証明する証書としての効力(裁判上の効力)には影響がない。

(5)
印紙税を納付した後に,納税額に超過があったことが判明した場合は,その超過額の還付(かんぷ)を受けることができる。印紙に消印してしまったとしても同じだ。

(6)
印紙税を納付する納税地は,課税文書が作成された場所だ。

(7)
印紙税の納期限は,課税文書を作成した時だ。




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