仮換地の指定

第5節 仮換地の指定

完成までに時間がかかる土地区画整理事業では,施行地区を工区に分け,「平成○○年度は第1期工事としてAを工事する」というようなことが行われることが多い。
このような場合に,施行者が「Aを工事するので,土地区画整理事業の完成まで,仮にCの※の場所を利用して(使用収益して)くれ!」と指定するのが,仮換地の指定だ。

宅建のマトメ集 法令制限図11-03
この場合,工事するAの場所を従前の宅地,仮に利用するCの※の場所を仮換地という。
仮換地の指定は,施行者が,従前の宅地の所有者等(A)と仮換地となるべき土地の所有者等(C)に対して,仮換地の位置,地積,仮換地の指定の効力が発生する日を通知することで行われる。
そして仮換地が指定されると,従前の宅地の所有者と仮換地となるべき土地の所有者は,それぞれ次のように取り扱われる。


従前の宅地の所有者等(A)の取扱い

(1)
仮換地が指定されると,従前の宅地の所有者等(A)は,従前の宅地を使用収益できなくなり,仮換地を使用収益できることになる。
このような取り扱いがされる期間は,仮換地指定の効力が発生する日から換地処分の公告がある日までだ。
なお施行者が,仮換地を使用収益できる日を,仮換地指定の効力が発生する日と別な日と定める場合がある。
その場合は,仮換地指定の効力が発生する日から,その別に定められた日(仮換地を使用収益できる日)まで,従前の宅地の所有者等は,従前の宅地と仮換地を両方使用収益できなくなる。
仮換地が指定されたことで従前の宅地の所有者等が使用収益できなくなった従前の宅地の管理は,施行者が行う。
だから例えば,仮換地の指定に伴って従前の宅地に存在する建物を移転する必要がある場合,その建物の移転は施行者が行うことになる。

(2)
仮換地が指定されても,従前の宅地の所有者等(A)は,従前の宅地の所有権等を失わず,仮換地の所有権等を取得することもない。
従前の宅地の所有者等が失うのは従前の宅地の使用収益権だけだ。また,従前の宅地の所有者等が取得するのは仮換地の使用収益権だけだ。
従前の宅地の所有者は従前の宅地の所有権を失わないので,換地処分前でも,従前の宅地を第三者に譲渡できる。
この場合,所有権移転登記は従前の宅地について行うことになるが,従前の宅地を譲り受けた者が使用収益できるのは,仮換地であり従前の宅地ではない。
また,従前の宅地の所有者は従前の宅地の所有権を失わないので,換地処分前でも,従前の宅地に抵当権などの担保を設定できる。従前の宅地の所有者は仮換地の所有権を取得することはないので,仮換地には抵当権を設定できないので,注意。


仮換地となるべき土地の所有者等(C)の取扱い

(1)
仮換地が指定されると,仮換地となるべき土地の所有者等(C)は,仮換地を使用収益できなくなる。
このような取り扱いがされる期間は,仮換地指定の効力が発生する日から換地処分の公告がある日までだ。
なお施行者によって,従前の宅地の所有者等が仮換地を使用収益できる日を,仮換地指定の効力が発生する日と別な日と定められる場合がある。
この場合は,その別に定められた日から換地処分の公告のある日まで,仮換地となるべき土地の所有者も,仮換地を使用収益できなくなる。

(2)
仮換地が指定されても,仮換地となるべき土地の所有者等(C)は,仮換地の所有権等を失わない。
仮換地となるべき土地の所有者が失うのは,仮換地の使用収益権だけだ。
仮換地となるべき土地の所有者は仮換地の所有権を失わないので,換地処分前でも,仮換地を第三者に譲渡できる。
この場合,所有権移転登記は仮換地について行うことになるが,仮換地を譲り受けた者は仮換地を使用収益できない。
また,仮換地となるべき土地の所有者は仮換地の所有権を失わないので,換地処分前でも,仮換地に抵当権などの担保を設定できる。




換地処分

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