建築基準法が適用される建築物

第2章 建築基準法

建築基準法は建築物に関する最低基準を定めた法律だ。
ところで建築基準法は,建築物の安全・衛生を図ることと,快適な街づくりを目指すこと,の2つを目的とする。
建築物の安全・衛生を図ることを目的にする建築基準法の条文を,単体規制という。建築物の安全・衛生は1つ1つの建物の問題だから「単体」規制という。建築物の安全・衛生は,当然のことながら日本中の建物について要求されるから,単体規制は全国の建物に適用されるのが原則だ。
それに対して,快適な街づくりを目指すことを目的にする建築基準法の条文を,集団規制という。快適な街づくりは1つ1つの建物を規制しても始まらない。一定の地域や地区に存在する建物全体を規制する必要があるので「集団」規制と呼ばれる。快適な街づくりは,日本中の建物について要求しても仕方ないので,集団規制は都市計画法の「都市計画区域および準都市計画区域」に存在する建物にだけ適用されるのが原則だ。

建築基準法は,単体規制と集団規制の前に,建築基準法全体の話として総則というのを置いているので,この参考書でも次の順番で説明して行くことにする。
宅建のマトメ集 法令制限図05-01


第1節 総則

総則とは,建築基準法全体の総論となる条文だ。
建築基準法は単体規制(建築物の安全・衛生を図る条文)と集団規制(快適な街づくりを目指す条文)から成り立つが,それらを解明する前に,建築基準法全体に共通する話をしておこうというのが,総則だ。

1 建築基準法が適用される建築物

建築基準法は建築物に関する最低基準を定めた法律だが,建築基準法が適用される建築物とは何かということだ。

(1)
建築基準法が適用される建築物とは,土地に定着する工作物のうち,屋根と壁があるものだ。

(2)
だから,一般の人が生活する居住用の建物はもちろん,営業用の店舗・工場・畜舎・神社・仏閣なども,建築物に当たる。
ただし,文化財保護法の規定によって国宝,重要文化財等に指定又は仮指定された建築物には,建築基準法が一切適用されないことになっている。
また,既存不適格建築物には,建築基準法のうち,現在の法令に適合しない部分だけが適用されない。
既存不適格建築物とは,建築基準法関係の現在の法令の施行または適用以前から存在する建築物で,現在の法令に適合しないものだ。
なお,既存不適格建築物でも建て直す時は,既得権が消滅するといえるので,現在の法令に適合させる必要がある。




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