開発許可をめぐる手続き

2 開発許可をめぐる手続き

開発許可が必要な場合には,(1)開発許可の申請→(2)開発許可→(3)工事着手→(4)工事完了→(5)工事完了届→(6)検査→(7)検査済証交付→(8)工事完了公告,という手続きに沿ってしなければならない。
順番に説明する。

(1)開発許可の申請
①申請書を知事に提出する必要がある。
②開発許可の申請書には,次の事項を記載する必要がある。
a.開発区域の位置,区域及び規模
b.開発区域内において予定される建築物又は特定工作物の用途
c.開発行為に関する設計
d.工事施行者
e.その他国土交通省令で定める事項
③開発許可の申請は,土地の所有者でなくてもできる(例:借地権を有している者)。
④開発許可を申請するときは,あらかじめ,次のことをしておく必要がある。
a.「開発行為に関係がある,公共施設の管理者と協議し,その同意を得る」必要がある。そして,申請書にはその同意書を添付する必要がある。
b.「開発行為により新たに設置される公共施設を管理することとなる者と協議する」必要がある。そして,申請書にはその協議の経過を示す書面を添付する必要がある。
c.「開発行為に関する工事の実施の妨げとなる権利を有する者」の相当数の同意を得る必要がある(なお,相当数かどうかは知事が判断する)。そして,申請書にはその同意を得たことを証する書面を添付する必要がある。

(2)開発許可
①知事が開発許可するには,次の基準に従う必要がある。
a.原則
開発許可の申請があった場合,その開発行為が都市計画法第33条の開発許可の基準に適合し,かつ,その申請手続きが法令に違反していないときは,知事は,開発許可をしなければならない。
b.例外
市街化調整区域内で開発許可の申請があった場合,その開発行為が都市計画法第33条の開発許可の基準に適合し,かつ,その申請手続きが法令に違反していないことの他,その開発行為が次のどれかに該当するときでなければ,知事は開発許可をすることができない(主なものの列挙)。
・周辺の居住者の日常生活のための物品の販売等を営む店舗のためのもの
・鉱物資源,観光資源の有効利用のためのもの
・知事があらかじめ開発審査会の議を経たもので,開発区域周辺における市街化を促進するおそれがなく,かつ,市街化区域で行うことが困難または著しく不適当と認められるもの

②知事は,用途地域の定められていない土地の区域で開発許可をする場合に,必要があるときは,その開発区域内の土地について,建築物の建ぺい率,建築物の高さ, 壁面の位置その他建築物の敷地,構造及び設備に関する制限を定めることができる。
なお,知事が上の建築物の敷地,構造及び建築設備に関する制限を定めた場合は,知事が許可したときを除いて,その制限に違反した建築物を建築できなくなる。

③知事が開発許可をした場合,知事は,開発許可の年月日など一定の事項を記載した開発登録簿を調整,保管し,公衆からの請求があった場合は,開発登録簿を閲覧させ,その写しを交付する必要がある。

④知事は,開発許可の申請に対して,遅滞なく,許可又は不許可の処分を文書で通知する必要がある。不許可の処分をする場合は,原則として不許可の理由を文書で示す必要がある。

⑤知事が行った開発許可の処分に不服がある者は,開発審査会に対して審査請求ができる。
以前は、開発許可の処分に不服がある者は、その処分についての開発審査会の裁決を経た後でなければ、訴え(裁判)を提起できなかったが、平成28年4月から開発審査会の裁決を経なくても訴えの提起が可能になった。

⑥開発許可を受けた後で,一般承継や特定承継が生じた場合,開発許可を受けた地位は,次のように取り扱われる。
a.一般承継が生じた場合(開発許可を受けた者に相続・合併があった場合)は,当然に,一般承継人(相続人・合併会社)が,被承継人(被相続人・合併された会社)が有していた開発許可を受けた地位を承継する(知事の承認不要)。
b.特定承継が生じた場合(開発許可を受けた者が土地の所有権を譲渡した場合)は,知事の承認を得て,特定承継人(土地の買主)が,被承継人(土地の売主)が有していた開発許可を受けた地位を承継する。

(3)工事着手
開発許可を受けた後で工事に着手することになるが,何らかの事情で開発許可を受けた者が,開発行為に関する工事を廃止した場合は,遅滞なく,その旨を知事に届け出る必要がある。

(4)工事完了
開発許可を受けた者が,その開発区域の全部について工事を完了したときは,その旨を知事に届け出る必要がある。この届出を工事完了届という。

(5)工事完了届
工事完了届があったときは,知事は,検査する必要がある。

(6)検査
検査した結果,その工事が開発許可の内容に適合していると認めるとき,知事は,検査済証を交付する必要がある。

(7)検査済証交付
検査済証を交付した後,知事は,工事完了公告をする必要がある。

(8)工事完了公告
①工事完了公告とは,開発許可に基づく工事が法律的にも完成したと宣言すること。
②工事完了公告がされると,開発行為により設置された道路・公園などの公共施設,または,その公共施設の敷地は,次のようになる。
a.道路・公園などの公共施設は,工事完了公告の日の翌日に,原則として,市町村の管理に属する。
b.道路・公園などの公共施設の敷地は,工事完了公告の日の翌日に,原則として,公共施設の管理者に帰属する。




開発許可がいるかどうか

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