さ行 


【さしがね】

 漢字で書くと 「差し金」。操り人形の腕に差し入れた棒のこと。人形使いは、それを使って人形の腕・手首・指先などを動かしたのです。そこから、陰で人を操り指揮することを、そう言うようになりました。


【左遷】

 「遷」 は 「移す」 という意味。昔、中国では、右を尊び左をいやしむという風習がありました。そこから、それまでよりも低い官職・地位に移すことを、そう言うようになりました。


【さばを読む】

 「さば」 は 「鯖」 のこと。「読む」 は 「数える」 の意。鯖は 「鯖の生き腐れ」 というように、鮮度の落ちが激しい。そこで、早く売りさばこうと、早口に数えて数をごまかしてしまう。そこから、数量をごまかすことを、「さばを読む」 というようになりました。


【さようなら】

 用事が終わり、帰るときの 「左様ならば、おいとまいたす」 という言葉が短くなったもの。「さようならば」 という慣用句が現れたのは、江戸時代。現在では 「ば」 も省いた形で使われています。


【じだんだを踏む】

 「じだんだ」 は 「地たたら」 の転。「地たたら」 とは、足で踏んで空気を送る大きなふいごのこと。たたらを踏む様子から、腹をたてたりくやしがったりして、両足で交互に激しく地面を踏むことを、そう言うようになりました。


【しなをつくる】

 「しな」 は本来、 「品物」「階級」「性質」 などを表すものですが、ひとがらという意味になり、転じて、愛嬌・あだっぽいしぐさの意味になりました。そこから、なまめかしい様子をする・気どったしぐさをすることを、 「しなをつくる」 というようになりました。


【修羅場】

 「修羅」 は 「阿修羅王」 のこと。阿修羅王が正法を滅ぼそうとして、梵天・帝釈天と戦う場面を 「修羅場(しゅらじょう)」といいます。そこから、人形浄瑠璃や歌舞伎などで、合戦・闘争の場面を指すようになり、転じて、一般の争いごとを指すようになりました。


【食パン】

 パンの語源は、ポルトガル語の 「パオ」 です。食パンとは、主食用パンの総称で、 「消しパン」 と区別するためにつけられた言葉です。昔は、鉛筆のあとを消すのにパンを使っていたのです (→消しゴムは、約200年前、イギリスの化学者プリーストレーによって発明) 。ちなみに、音楽の父と呼ばれるバッハも、消しパンを使っていたということです。