バンコク都知事選が7月23日に行われる。与党・民主党などが有力候補をたて、年内に予定されている総選挙(下院選挙)に向けての前哨戦になる。バンコクは東京と同じように、完璧な都市型選挙。浮動票をどう取り込むかが勝負になる。

 

 

【世論調査】(00年6月23日)

 今回の知事選挙は、マスコミの世論調査も過熱きみ。23日付けネーションは各候補の支持率を掲載しているが、その詳細がすごい。学生、サラリーマンの区別はわかるが、軍人に警察官、さらにタクシー運転手、公益企業の従業員と分け方がタイらしい。つまり学生は将来を約束されたエリート達、軍人・警察官はいわばタイでは「利益集団」、公益事業の従業員も民間企業よりは好待遇で知られる。で、その結果は以下の通り。

        学生  軍人  警察  公益事業職員  タクシー運転手  観光産業   銀行員 

・サマック… 26・2 61・3 59     54・8       46・7       41・1     40・5

・スダラット…28・6 5・3  14・4    17・8       18・6       28・1     26・2

軍人・警察・公共事業職員に圧倒的人気を誇るサマック候補に、学生主体のスダラット候補の図式か。でも、サマック候補が各分野で支持を集めており、格差が開いただけとの分析もできる。あまり意味ないな、このアンケート調査。  

【各有力候補の紹介】(00年6月20日)

・サマック候補…65歳、市民党。タマサート大卒。与党の一員として通信・運輸大臣などを歴任。知名度、実績は抜群で、下院からの鞍替えで選挙運動の過熱に油を注ぐことに。最有力候補。

・スダラット候補…39歳、タイ・ラック・タイ。チュラ大卒。若さと女性という点をアピール。民主化の旗手ともいわれるチャムロン元知事のパランタン党に属するも、昨年。新党タイ・ラック・タイに移籍。世論調査ではサマック候補を抜く場面も…。

・パウナー候補…51歳、国家開発党。与党を組む政党からの出馬。市民党から国家開発党に鞍替え。美人の女性候補で、清潔感を全面に出す。

・タワチャイ候補…57歳、チュラ大卒。民主党。政権党の民主党が送り込んだ候補だが、今回は苦戦か

・ウイナイ候補…57歳、陸軍士官学校14期。無所属だが、同じ陸士卒のチャムロン氏が主催するパランタム党に所属したことがある。第1次チュアン政権時の大臣経験者。

都知事選は合計23名が立候補した。しかし、実際の当選者はこの5名の中から出るのは確実。一部ではサマック対スダラットの一騎打ちとの見方も…。