某工業新聞で働く仕事柄、タイの企業ニュースには良く目を通す。これまではミクロな経済ニュースの大半は捨ててきたが、もったいないので、別コーナーを設けて掲載することにしました。月単位で更新する予定です。
【2000年3月】
・少額投資で増産(24日付け日経)
タイの日系企業は生産ラインの長さを調整するなど、少額の投資で増産する企業が増えている。日本電産はHDD用小型モータを30%増産、キャノンもプリンタの単位面積当たりの生産量を3倍増にした。シャープ電子レンジのラインを改造、NECテクノロジーズもチップコンデンサーの生産能力を約2倍にする。(日経のバンコク駐在記者は真面目だ)。
・JSRが新会社(24日付け日経)
JSRはゴム製品の中間製品をつくる新会社を設立する。5億円を投資し自動車部品向け製品をつくる。
・ロクシーがeビジネス開始へ(24日付けビジネスデー)
インターネット接続サービス大手のロックシー・インフォは1000万バールを投資し、インターネット上で商取引を行う「ビジネスtoビジネス」のため新会社を設立すると発表した。
・チェブロンが石油開発(24日付けビジネスデー)
米国で第二位の石油会社、シェブロンは4億ドルを投資して、シャム湾における石油開発に乗りだす。
・TGが株放出(23日付けビジネスデー)
タイ国際航空(TG)は向こう6カ月以内に株式の23%を市場に放出すると発表した。自社が抱える債務支払いに充てる方針だ。
・トヨタが増資(23日付けネーション)
トヨタの現地法人、トヨタリース社は資本金を4億バーツから30億バーツに増資する。新車販売の促進ため個人向けローンの原資に充てる考え。
・グッドイヤーが投資拡大(23日付けネーション)
世界的なタイヤメーカー、グッドイヤーは東南アジア地区での投資を拡大する。総額19億バーツ(5億ドル)を投資しタイとインドネシアの工場を拡張する。
・パダエンが外資系に?(22日付けビジネスデー)
鉱山会社のパダエン・インダストリ社は21日、英国に地盤をおくコモンウィールス銀行と株式譲渡について交渉中であることを明らかにした。
・SEAMICOが東京に事務所(22日付けビジネスデー)
シーミイク証券は21日、東京に事務所を開くと発表した。日本とタイにまたがる投資案件や債務購入など目的。各紙が大きく報じた。
・軍人銀が公的資金を拒否(21日付け各紙)
タイ軍人銀行は20日、政府から申し出が出ている公的資金の導入を見送る方針。増資をどう手当するかについて21日に協議する。
・ACTが買収(17日付けビジネスデー)
世界大10位の電気メーカー、ACTはGSSアレイ社の株式を取得し傘下に納めた。総額34億4000万バーツの投資で、100%子会社にした。
・トヨタが強気の見通し(17日付けネーション)
トヨタ・タイランドは2000年の売上高は140億バーツと前年からの倍増を狙う。
・松下電器が投資拡大(17日付けネーション)
松下電器産業はタイの拠点に総額12億バーツを投資し、生産能力の拡大と販売体制の拡充を図る。同地域における売上高の倍増を狙う。
・B2Bがスタート(16日付けネーション)
タイで初の本格的な「ビジネスtoビジネス」の実験が来月から始まる。インターネットを利用した企業間の電子取引実験で、米ウインストア社が中心になってネットワークを構築。200の製造業者と100の小売店をつないだテストに入る。
・エリクソンが新型端末を販売へ(16日付けネーション)
世界最大の携帯端末メーカー、スウェーデンのエリクソンは、ワイヤレス・アプリケーション・プロトコロル(WAP)対応の新型モデルを近く本格販売する。
・フォードが増産体制へ(16日付けネーション)
米フォードのタイ法人は15日、2000年に1万5000台を販売する。昨年の実績は7700台で、景気回復を背景に2倍増を狙う。
・リーボックがタイから撤退か(16日付けバンコクポスト)
世界的なスポーツ用品メーカーである米リーボック社がタイ国内にあるスポーツシューズ工場を閉鎖する可能性が出てきた。同社の納入業者がウワサの真偽をただす質問状を送った。
・国営クルンタイ銀が資産管理会社(15日付けビジネスデー)
経営難に陥っているクルンタイ銀は今年5月末までに資産管理会社を設立、不良債権を分離することで健全化を目指す。
・シン・コーポがライコスと提携(15日付けバンコクポスト)
通信大手のシンが米国のインターネット会社、ライコスと提携する。ライコスはyahooに次ぐ規模のポータル事業者で、アジアでは日本を含め4カ国語でサービスを提供している。
・マツダが輸出を倍増へ(14日付けネーション)
マツダは2000年に合計9000台を海外へ輸出する。昨年の輸出総台数は4000台で、今年は新モデルの投入により倍増を狙う。
・携帯電話で業界再編(10日付け日経産業新聞)
タイを代表する華人財閥CPがワイヤレス・コミュニケーション・サービス(WCS)を、ユナイテッド・コミュニケーション(UCOM)傘下の携帯電話会社トータル・アクセス(TAC)から買収して本格参入する。通信大手のシンコープ社は業界2位のデジタル・アクセス(DPC)に資本参加、業界トップでシン傘下のアドバンスド・インフォ(AIS)との相乗効果を狙う。
・GEキャピタルが増資(10日付けNNA)
米GEキャピタルのタイ子会社は総額50億バーツの社債を発行する。自動車リース部門を拡充するのが狙い。
・「ブラック・キャット」売上げ伸びる(3月10日ビジネスデー)
ウイスキー有力ブランド「ブラック・キャット」は今年の売上高を50%増の15億バーツに設定した。20億バーツを投資して増産体制を築く。
・コカ・コーラがピンチ(3月8日付けビジネスデー)
タイではここ数年で清涼飲料の需要が3割も減っており、最大手のコカ・コーラがピンチに陥っている。同社では総額10億バーツを投資してオペレーションのコストダウン策を進めている最中。だた原料値上げで思うように進んでいない。タイ人の健康志向もあり、炭酸入り飲料の人気は下降傾向をたどっている。
・銀行が増資へ(3月9日付けNNA)
タイ農民銀行のシンクタンクが「銀行業界は総額3800億バーツの追加資金が必要」との報告を公表したが、その詳細を9日付けNNAが詳細をレポートしている。軍人銀行、アユタヤ銀、DBSタイダヌ銀は年内にも増資する計画。国営クルンタイ銀、バンクタイ、バンコク・メトロポリタン銀、サイアム・シティ銀は2100億から2400億バーツが必要。今のところ100%の貸倒引当率を達成しているのはサイアム商銀とタイ農民銀だけで、外資に売却されたラタナシン銀なども資金不足に悩んでいる。
・ツタヤが展開(3月7日付けビジネスデー)
タイ国内でレンタルショップを展開するツタヤは、タイ国内で音楽ビジネスに参入する。日本の人気ポップスを現地盤にし販売していく。なお同社は今年末までにタイ国内でレンタルショップ100店の開店を目指している。
・TT&Tにシン・コープが出資か(3月7日付けビジネスデー)
経営危機に陥っているタイ電話公社(TT&T)に、シン・コーポ、テレコム・アジア(TA)社が出資する方向で準備していることが明らかになった。TT&Tはつい最近、債権者と再建案について合意したばかりだが、事業存続のため優良企業との提携を模索している。TT&Tには日本のNTT西日本が資本参加している。
・フリトがシェア拡大作戦(3月7日付けネーション)
タイ最大のポテトチップス会社であるフリト社は、総額26億バーツを投資し、市場シェア70%獲得を目指すことを明らかにした。編集部から:ちなみに同社は人気スター、トンチャイ(バード)出演のCMを大々的に流し、国内マスコミで賛否両論を呼んだ会社。自社製品の販売促進を隠しながら、ジャガイモ栽培を賛美し「ギゼンだ」と評された。だから心ある人はフリトが嫌いだ。
・AISが社債を発行(3月7日付けネーション)
タイ最大の携帯電話サービス会社、アドバンスド・インフォ・サービス(AIS)は総額80億バーツの社債を発行する。同社が計画している通信サービスの拡大い充てる方針。
・BBL、資本を増強か(3月6日付けビジネスデー)
タイ最大の民間銀行、バンコク銀は経営安定化には少なくとも資本金を500億バーツ積みます必要がある。現地アナリストの見方として伝えた。銀行部門には合計で1000億バーツの追加予算が必要とも。
・欧米各社が電子メーカーに投資(3月6日付け日経)
欧米の大手投資会社がタイの電子業界への投資を加速している。スイスのUBSキャピタルはNSエレクトリニクス・バンコクの株式68%を取得。英プルデンシャル・アセット・マネジメント・アジアは約9億5000万バーツを投資してハードディスク駆動装置(HDD)メーカーのKRプレシジョン株式40%を取得した。また米アメリカン・インシュランス・グループとスウェーデンのインベスターズABは共同で、破綻したアルファテック社の経営を引き次ぐ。