○月○日 働くフリーペーパーから給料を貰ったが、小切手のようなチェックでもらった。銀行にある自分の口座に振り込むタイプで、つまり自分の口座がないと現金化できない。で、さっそく今やタイ一番と言われるタイ農民銀行に出かけた。フーリーペーパーのメインバンクでもある。「口座を開きたいのですが?」「労働ビザはありますか?」「いえ、観光ビザだけです」「バンコクで働いていますか?」「うん?」。観光ビザを持っていて働いていたら「不法就労」ではないか。「いえ、観光です」「残念ながら口座は作れません」。ウンコ野郎だ。なら日本の銀行なら大丈夫だろうと思い、お隣のさくら銀行へ。さすがサービス重視の日本の銀行だ。日本語ができる受付がいる。が、「労働ビザはありますか?」ときた。「私は日本人だ、日本の銀行の口座をどうして開けないのか」と食い下がるがダメだった。ついでに2年前に作った別な商業銀行の通帳を見せて、「この銀行口座は大丈夫ですか?」と聞いたら、「その銀行は潰れました。口座は半年以内に引き落とすようアナウンスされたはずです」。クソったれ、オレの1000バーツがタイの通貨危機とともに泡と消えたなんて!!諦めるわけにはいかない、なんと言ってもオレの生活がかかっている。今度は王室系のサイアム商業銀行。これもダメ。最後は、なんとか国営のクルンタイ銀行に口座を開くことができた。でも、この銀行も不良債権のヤマに不正融資事件があって危ない銀行なんだよね。そんな目でみると確かに窓口に並ぶ人の数が他の銀行より少ないような気もする。でも、仕方ないよな。この銀行は世話になるラムカエ家の長男が働く銀行でもある。手元にあった日本円○十万円もタイ・バーツで預金しました。私の運命は、これから国営クルンタイ銀行と共にあります。

 

 ○月○日 銀行のキャッシュカードはその場ですぐに作ってもらった。「ゴールドカードと普通のカードがありますが?」と聞かれた。でも、どう違うの?「ゴールドは1日に5万バーツまで引き落とせますが、普通のカードは2万バーツまでです」。「じゃあ、ゴールドにして頂戴」。いずれにしても口座に金がねーとダメなんだ。まぁ、ゴールドと名前のつくカードを持つのは、運転免許書いがいは初めてだからいいっか。しかし、わずか250バーツ(約800円)しか預金しないでゴールドはねーよな。日本人のおじさん、少しミエを張りました。

 

 ○月○日 フーリーペーパーのボス(上司=社長)から、「個人両替屋を取材しろ」と過酷な指令がきた。いわゆる闇両替ってやつだ。社長がたまに使う両替屋を紹介したが、にべもなく「ダメ」。ちなみにその会社の名前は「スーパーリッチ」。そのままじゃん。仕方ないので家近くの両替屋に行ったが、「忙しい」とアウト。観光地パッポンにある旅行代理店に「両替OK」と看板が出ていたので、尋ねたが、やはりダメ。こうした両替屋は、店に入るときにカギがあき、外に出るときにカギをあけてくれる。ちと怖い感じ。会社に帰ってタイ人スタッフに聞いたら、「個人(闇)両替は違法行為です。取材に応じたらその人は逮捕されます」という。早く言えよ、お前も一緒にミーティングで取材テーマ決めたじゃないか。ボスに「ダメです」と泣きを入れたら、「どうも違法行為らしいな」だって。おかげで両替もしたくない1万円札を3枚も使ってしまった。でも、飛び込み取材はそれなりに楽しいものでした(ぼそっ)。タイの両替屋はなぜか、みんな華人系の人達ばかりだった。国外の華人グループと関係あるのでしょうか。マネーロンダリングに使われていたりして?でもバンコクではみんな堂々と「両替」の看板を出していましたけど。警察や政治家ともつながっているのでしょうか。仕方ないのでウンコ野郎がいるタイ農民銀行の両替担当係りに取材することになりました。取材拒否よりも、そっちの方がくやしい。