トモコの家庭教師

トモコのアンケートに答えてね。


第2回

 トモコの部屋で教科書を開いての講義は小1時間も過ぎただろうか?
 トモコは物覚えが悪いということもないようだが、集中力に欠ける傾向にあるようだ。机の下では足がパタパタと動き、どうにも落ち着かない。
 勉強に集中できないのを強く責める気にはなれないが、受験勉強となればそうもいかない。あなたは教え子の学力向上で給金をもらうわけだから。

「少し休憩にしません?慣れない勉強なんてしたら知恵熱が出ちゃった。」
 あなたは軽く、でも多少の叱咤を込めて注意したつもりだったが、どうもトモコには上手く伝わっていないようだ。まぁここで一息ついてじっくり注意するのもいいか、とあなたも思い、トモコの提案通り休憩にすることにした。

「先生は兄弟とかいないの?」
 トモコは軽く背伸びしつつ訊いてきた。
 先に説教するつもりだったあなただが先を越されてしまった。この教え子はこちらの気持ち得を知ってか知らずか尋ねてきた。
「わたしにはお兄ちゃんが1人いるんだ。」
 トモコは傍らの写真立てに手を伸ばした。ごく最近の物らしいが、トモコと一緒に写っている青年は頬にバンソウコウを貼り瞳を輝かせた、まだまだ少年と呼べるような印象だった。
「お兄ちゃんはねぇ・・・ハッカーやってるの。これ、内緒ですよ。」
 そう言ってトモコが次に見せた写真には、2人の他に5人が写っていた。
 トモコが言うにはスプーキーズと名乗るハッカー集団で、彼女の兄も行動を共にしているそうだ。
「ねぇ、先生はハッカーってどんな人だと思う?みんなの事、どう思うかなぁ?」

 さて、あなたはどう答えますか?


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