指先
血の滴る傷口を隠して
見えない涙を流していた
誰にも気付かれないように
空の青さが眼に染みて 
僕にはもう あなたを見る事が出来ない

白く透き通る 象牙細工のような手を じっと眺めていた
その指先は 誰の涙を拭うのだろう
僕にはもう 知る事が出来ない

凍り付いた頬に触れる雪は むしろ温かく
今は冷たくかざしたこの掌にも
いつか春が通りかかる事を信じている


霜月 氷魚
2001年11月24日(土) 22時12分04秒 公開
■この作品の著作権は霜月 氷魚さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
作者からのメッセージはありません。

<--- リストの中からこの作品についての評価を選択してください。 現在のPOINT [ 50 ]
この作品の感想をお寄せください。
お名前(必須) E-Mail(任意)
メッセージ
戻る
[ 感想記事削除 ]
PASSWORD