なぜ同じC&Aツアーのライブに2度も行くのか

C&Aのライブはいわばカレーライスだ

 私は、去年、一昨年のASKAソロの「ID」「kicks」はそれぞれ2日間見に行った。また今回の「電光石火」の真駒内公演も、2日間とも見に行った。チケット代だけでもかなり大きな出費である。だから、今回のツアーの真駒内公演が4日間から2日間へと減ったことは当然寂しかったが、しかし正直なところ4日間も行かなくていいことに、金銭的にはちょっと安心したのも事実である。

 「4日間も行かなくていい」と書いた。当たり前のことであるが、私がC&Aのコンサートに行くか否か決めるのは、私の自由意志であり、義務ではない。だが、ファンである以上は、せっかくC&Aがうちの近くに来てくれたんだから、時間のある限りは、なるべく多く公演に参加したい。だから、今回も「電光石火」真駒内公演は2日間とも見に行ったのである。

 しかし、こういうファン心理をなかなか分かってもらえないのも事実である。「曲も話しもみんな同じなんでしょ?何で同じコンサートに2度も行くの?バカじゃないの?」友人からも聞かれる。確かにバカかも知れない。別に、この質問に答える必要もないんだけど、やっぱりC&Aのライブのよさを理解してほしいし、何となく擁護したいから(当然、そんな義務もないが)、いろいろと答えを捜し出そうと悩んでしまうのだ。C&Aに限らず、何かしらのファンをやってるみなさんは、こういう経験は何度もあるはずだ。

 私はこの問いに答えようと、大学をさぼってまで無理に考え抜いた。

 で、辿り着いたのが、「カレーライス」。ヒントになったのは「大学の論述試験で、答えに迷ったら美味しいカレーライスの作り方をかけ」という定説である。そうだ、カレーライスで説明できるじゃんと真剣に思った。

 カレーライス。私の周りには数人カレー嫌いがいるが、しかし基本的にみんなカレーは好きだと思う。ライブも同じ。世界には、わざわざ自分でチケット代を払って、わざわざ自分で会場まで足を運んで、わざわざライブを見るが、ライブが嫌い、という奇特な人もいるかも知れないが、しかしライブに行く人はたいていライブは好きなはずだ。そう、ライブはみんなが好きなのだ。かなり強引だが、まあいいのだ。

 カレー[ライブ]は、皿[会場]の中で、人参[ステージ]やたまねぎ[MC]、ライス[観客]、(他にも林檎[天候]や粉チーズ[日時]など要素はたくさんあるだろう)いろいろな食材を、ルー[C&Aと歌]が温かく包んでくれるのだ。たまに大根というアクシデントもあるが。とにかく、ライブはいろいろな要素が織り混ざって出来上がるものなのだ。

 さらに、カレーと言えば、忘れてはいけない重要なことがある。翌日のカレーはうまい。熟成されるから。ライブもカレーと同じで、できたてももちろんうまいが、日にちが経つとさらに旨味が増すのだ。ライブもたった1日で曲やMCが同じでも、まったく違うものにかわるのだ。

 つまり、ライブとは様々な要素が絡み合い、さらに、時間が経つほど熟成され、進化していくものなのだ。だから、我々は同じツアーで、同じ曲順で同じMCでも、ツアーに2度も足を運ぶのだ。

 なお、カレーは放っておくとカビが生えたり腐ったりしてしまう。腐らないようにするには、何度か熱をかけて温めていないといけないのである。ライブも冷めてると、とてもつまんなくなる。だから、我々は何度か足を運んでライブや自分を熱くする必要がある、とも言える。

 結論:ライブすなわちカレー。すげえ強引。

 

 あ、カレーに肉を入れるのを忘れてた。