電光石火 #01

1999年10月2日〜3日の「電光石火 真駒内アイスアリーナ公演」 前半

-Opening

 雷が轟く中、20年間のライブの映像が次々とあらわれる。最後に「ひとり咲き」のジャケットが出てきたため、最初は「ひとり咲き」で始まるのかと思ったら・・・

01.WALK

 イントロが流れた瞬間から、驚きと感動を覚えた。もちろん、もともと好きな楽曲だったが、最近は特によく聴くようになっていた。だから、今回のツアーで一番聴きたかった曲である。そんな曲を歌ってくれるなんて。しょっぱなから、うるうるしながら聴いていた。ひとことひとことに耳を傾け、じっくりと「WALK」に浸った。今までCDで何度も聴いてきたが、この二日間で聴いた「WALK」がやっぱり最高だった。それにしても、ふつうなら1曲目は大いに手拍子打ちたい観客を、じっと黙らせ聞きこませるC&Aの歌唱力はすごいと思った。

02.HOTEL

 悔しい。最初、わかんなかった。「キャンセル待ちのキス」でやっとわかった。オリジナルのピアノの印象を覆す、ロックな「HOTEL」だった。「Surrending Down」がなかった。最後は「「愛してる」って聞かないで/抱かなきゃ分からない」で締めるとこがいいじゃんか。まったくちがった「HOTEL」だった。

03.higher ground

 やっと「NO DOUBT」からの1曲。レーザー光線の動きが印象的だった。曲とレーザーがマッチしてて、不思議な感覚を持った。「higer ground」はアルバム「NO DOUBT」のなかで、1番かっこいいと思う。ベースがかっこいい。

04.swear

 ミドルエイトの「ah 左に見せかけて〜」の部分がとても好き。CHAGE兄がいかにビートルズの影響を受けたかがわかる。ASKAさんの最後のサビの「DA.DA.DA.DA.」の後の「DA.DA.DA.DA.」もサイケデリックでかっこいい。武道館できけなかった分、十分聞き込んだ。武道館では歌われた「vision」がなかったのが、ちょっと寂しかったかな。

05.終章(エピローグ)

 イントロからは全然わからない。しかも、メロディーラインもちょこっと変えてあって、新しい「終章」だった。オリジナルでは、悲しみを全面に出し切ったバラードだけど、今回の「終章」はCHAGE兄のくねくね動きとあわせて、ちょっとポップな「終章」だった。永年歌い継がれてきたこの曲を、ぜんぜん違う印象の曲に生まれ変わらせちゃう柔軟さがとても好きだ。

06.好きになる

 「軽く座ろうか」のあとに歌われた曲。聴きながら、「あれ、こんなにいい曲だったっけ?」といまさらながら感動した。2コーラス目のCHAGE兄のとろけるような独特なヴォイスがとても好き。

07.two of us

 真駒内が道玄坂になってた。男からしても、男の声にうっとりしてしまう。昭和なんてあんまり記憶にないし、道玄坂だってのぼったことはない。だけど、目の前にはクリーム色のマンションがたしかに見える。「NとLの野球帽」でもそうなんだけど、CHAGE兄の詞とメロディーは絵が見える。CHAGE兄の語る物語には、感動した。とてもいい曲です。はじめてCHAGE曲を聴いた人でも、この曲だけでCHAGE兄の作る曲の素晴らしさを実感できたに違いない。

08.SAY YES (Unplugged Version)

 CHAGE兄がいうには、「今回のツアーでもっともマニアックな歌。会場のほとんどの客が知らない」。2日めに至っては、C兄「さっき作った歌なんだ」と、ギターをかき鳴らし、適当な歌を歌う。会場は爆笑の渦。おかげで、本当にイントロが入った後、ASKAさんが我慢できずに「ごめん」と手を挙げて、やり直しになった。客席の至る所の女性ファンから「ASKA〜!がんばって〜!」。こんなことがあっても、歌になると真剣になれるC&Aのプロの部分を感じた。
 ところで、「SAY YES」と「YAH YAH YAH」。C&Aを代表する大ヒット曲である。しかし、今回は「YAH YAH YAH」がない。僕は、「YAH YAH YAH」がとても好きだ。だけど、「電光石火」でこれを歌わなかったことは、とてもうれしかった。歌ってたら、つまんないとは言わないまでも、なんらかの不満が残ったと思う。アレンジをかえることで、C&Aの変化を見せることもできただろう。そう言う曲も今回は何曲かある。しかし、「YAH YAH YAH」を歌わないことで、より強く、「3年前のC&Aとは違うんだ」ということをはっきりと認識できた。とてもすばらしい決断だったと思う。
 逆に、「SAY YES」。誰もが知ってる曲である。前回まではこのキラーソングのイントロ、「じゃーん」で場を一気に盛り上がらせていた。でも、今回の「SAY YES」は違った。3年間触れられなかった曲が、3年間のソロの間にも、アンプラグドバージョンのかたちで、さらに成熟していた。もはや、大ヒット曲、特別な曲としてではなく、「C&Aの数多くの名曲のうちのひとつ」、「ライブの中間におかれる、1つの歌」として、浮きだったこともなく、ただ存在してた。それでいいのだ。

09.もうすぐ僕らは ふたつの時代を超える恋になる

 小学校のとき、2000年とか21世紀ってずっとずっと先のことに思ってた。気がつけば、すぐ目の前に2000年はある。1999年から2000年にかわる日、ぜひとも福岡にいたい。第3部でみのさんに会いたい(笑)。CHAGE兄、いい曲作ったよなぁ。ていうかこの曲みたいに、サビで兄とASKAさんのメインヴォーカルが入れ代わる曲がとっても好き。声質違うのに、とても自然にバトンタッチされる。