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どんぐりを食す

[きっかけ]

 以前より愛読の,自然を愛する本の中で,毎年この季節になったら
気になったことがあった。
 それが,「どんぐりを食べる」こと。
 Webで検索しても多数出て来たり,村おこしのための食材
(どんぐり饅頭etc.)として結構有名ではあるが,
・子供が拾ってくるような,その辺に落ちているどんぐりも食える?
・一体,どうやって食うの?
・そもそも美味いのか?
と言う点が常々疑問であった。

そんなおり,書籍にて「アク抜きなしでも食べられる」という
どんぐり(※1)が,娘の通う幼稚園の園庭に生えており,ある
程度の数が採取可能であることが判明した。

また,その他多少の手間で食べられるどんぐりも多数拾ってきてあり
気がつけば,家中食材だらけである。

このどんぐりの所有者である娘も非常に興味を示し,ぜひ食べて
みたいと「どんぐり」の供出を快く了承してもらった。

となれば...

早速,実験である!!














(※1) 「スダジイ」である。


[調理1]

  まずは,アク抜き不用の代表である,「スダジイ」からチャレンジ。
  この「スダジイ」,生食でもOKとある。

  
   
 (1) とりあえず,集まった「スダジイ」   (2) 皮を剥いて,中の身(白)を取り  
   ちょっと少ないが,お試しなので     出したところ。ペンチで殻を割ってと
   特に気にしない。              結構大変であった。(※2)

  せっかくなので,まずは生で食してみることにした。
  さすがに生なので,ちょっと抵抗があったが,死にはしないだろう(※3)
ということで,果敢にアタック!!...すると....
これが,結構甘い。ちょっと粉っぽい気もするが,美味しい部類である。
   
 
  この後,本にあった「バター炒め」にしてみたが,

 
        バター(なかったのでマーガリン)で炒めているところ。


  透明になるまで炒めた完成品

  実の分量が少な過ぎたのか,バターの代用にマーガリンを使用したのが
悪かったのか,出来あがりが硬くなってしまった。
  それでも,生食よりは抵抗がないのか,一応一家全員で食した。

  しかし,やはり「スダジイ」は(※2)の方法で食すのが最高に美味いと
後の試行で悟った。(お米のポン菓子のような味わいで,美味しい)
 

 

 



 

 



 

(※2) スダジイの一番簡単な食べ
方は,殻のままフライパンで炒って
はぜて殻に裂け目ができたところを
剥いて,アツアツで食べることだと
後で知った。
  試してみたところ,殻剥きも簡単
で,なにより美味しい。


(※3)どんぐりには,多量のタンニン
を含む種類があり,それを食べると
ひどい便秘になってしまうらしい。
その前に,タンニンたっぷりの実が
食えるのかという疑問もあるが。
(多分,非常に渋いはず)

[調理2]

  今度は,アク抜きすれば食べられる,その他種類にも挑戦した。

  調理するのは,「どんぐり団子」

  まず,どの種類のどんぐりを食材にするかということであるが,
そもそも,どんぐりなるものは,拾って帽子が取れた状態になると
種類の選別が非常に難しい。

  そこで,とりあえず採取したどんぐりを全部調理してみて,途中で
選別する方法を採った。

  まず,すべてのどんぐりの皮を剥き,可能な限り渋皮も取っておく。

   
   皮を剥いて鍋に入れた状態     

  これを多量のお湯で3〜4回煮こぼすとタンニンが抜けるとあるのだが,

 
   重曹を入れて沸騰させると,こんな恐ろしい色になります。

  こんな色と,かなりの樹皮の臭いから,7回もお湯を替えてアク抜きを
してしまった...(色は小豆を煮ているような感じ)

  今回の場合,煮たどんぐりの中に,真っ黒に変色して,ひときわ異臭を
放っているものがあることに,6回目位に気づいたため,そのどんぐりと
その他まともなどんぐりについた渋皮様のものを丁寧に水で洗い流した
ところ,7回目でようやく薄い煮汁色となった。
 実は,この茶色は,どんぐりのアクの色であり,渋自体はやはり3〜4回
の煮こぼしで十分取れるらしい。(※4)

  
   7回目の煮こぼしを終えて        水きり終了の状態。
    ざるに上げて水きり中。          濃いアクの色で黒く染まっている
                         正直,全然美味そうに見えない。でも,

 
   すりつぶして,餡状にすると        餡状のものを固めた様子。(※5)
    なかなかいい感じである。

 
  上新粉と混ぜて団子状にしたもの    左の団子がやや淡白な味だったので
                          網で焼いて小豆餡をつけてみた

  この,どんぐり団子の串焼き+あんこが,絶妙に美味かった。(※6)


  ただし,今回は,なんとなくビビッて,上新粉の量を多めにしてしまった
ため,どんぐりの風味を味わうには程遠い結果となってしまった点は否め
ない。(※7)

  ただ,当初の目的である,食材としての可能性を確認するという点では
問題なく合格と言えよう。

もっと,色々なレシピで食ってみたい!!


















































(※4) 正しい方法としては,一回目
の煮こぼし後に,不良品の選別と
熱で剥きやすくなった渋皮取りを
行えば,後々の煮こぼし回数が
少なくて済むと思われる。




























(※5) この状態で砂糖を混ぜて
しまえば,純粋などんぐり餡となり
どんぐり本来の風味を味わうには
最適らしいが,今回は最初でも
あるし,子供も食べるので,もう
少し薄めることにした。







(※6)焼いてあんこをつけるのは,
家内の発案である。さすがプロで
ある。


(※7)すでに,次回作のどんぐり
クッキーに向けて,娘を動員して
どんぐり集めを開始している。


(効能)
どんぐりには,クコの実,ヒシの実,
ハスの実,マツホド(きのこ),
ゲンノショウコなどと同様に,体に
こもった悪い重金属を排出させる
機能があるらしい。
今のような世の中では,重要な機能
のような気がする。

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