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α波感応装置の実験(1)

[目的]

  あなたは超能力を持ちたいと考えたことはないだろうか?
  そう,普通の能力しか持ち合わさない凡人にとって,一度は頭を過ぎったことが
あるかなわぬ願いである(※1)

  当時(※2),超能力と脳波の関係がとりだたされ出した頃で,脳波と言えば,そう
α波である。
  超能力を最大限に引き出すα波が,7〜11Hzの脳波であるという情報を得た(※3)
所長は,こう考えた。

「外部から,10Hzの電気信号を与えると,脳波も同調して,強制的に
 α波発生状態になり,超能力が発現するかも知れない........」





(※1)もちろん,所長も凡人である。

(※2)所長が19歳の春である。

(※3)真相は定かではないが,当時
    そういう情報を聞いた覚えが
    ある。
[方法]

  当時,所長はデジタル回路による各種工作を行っており,TTL ICが身近にゴロゴロ
している状況にあり,もっとも簡単に,精確な10Hzの周波数の電流を得る方法として,
水晶発信子(100KHz)の分周回路を利用することを考え付いた。(※4)

  電源電圧は,最初TTLレベルの5Vで計画していたが,あまりに電気的刺激が
少ないと思われたので,トランジスタを追加して12V出力にて回路を設計した.(※5)




(※4)アナログ回路の知識に乏し
    かっただけという意見もある。

(※5)12V電源には,Nゲージ鉄道
    模型用を流用した.つまり,
    部品すべてが廃品利用である.

[実験結果]

  まず,手始めに,テストとして,この12V 10Hzの電気信号を,耳たぶと頭頂各部
に,暗闇で目をつぶった状態で接触させてみたところ,頭頂の接触位置により,目の
前の違った位置にぼんやりした光が見えた.(※6)

  その,光が一番顕著に見えた場所と,左耳たぶに電極を固定し,実験本番を開始
した.
  実験開始5分を経過したころ,左耳付近から「ジジッジジッ」という音が聞こえ始める
と同時に,その左耳に痛みが走りだした.

            左耳やけど,全治3日

  左耳電極部分にかいた汗が,電気分解を起こし,酸が発生した模様である.

  結果,ドクターSTOPにより,実験中断となった.(※7)




(※6)この結果だけから,頭に電極を
    繋ぐだけで,CRTが実現できる
    のではと興奮したものである.







(※7)未だに,左耳には当時の
    傷跡が残る.結構痛かった.

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