道了尊→明神ヶ岳→強羅ハイク

2006.9.2


かねてから訪れたてみたいと考えていた場所に、小田原・道了尊がある。
ここは、天狗様がいるということで有名で、そのお姿が写真に写ったと
HomePageにアップされていたことがあるほど。
ブレた影みたいな写真ではあったが、なんとも夢のある話ではないか。

昔、兵庫の奥でのキャンプの際に、夜中になんだか判らない怪音を聞いたことがあり、
色々調べた結果、これは天狗の仕業(天狗倒し)だったのだろうという結論を
だしている自分としては、なんとも親近感のわく、憧れの場所であった。

この寺から、箱根・強羅に抜けるハイキングコースもあり、小田急ロマンスカーに
乗って帰るというスペシャルコースを計画し、富士山に登り健脚を目の当たりに
した末息子を誘って、実行に移すことにした。
(この頃は、兄、姉は色々忙しくて、自由に連れ出せるのが末息子だけになった
という事情もある。電車に乗るといえば付いて来てくれる、うれしい存在)

あわよくば、新型の白いロマンスカー50000系に乗れるかもという
淡い期待を胸に、早朝から電車で旅立った。(天狗様はどうした??)


朝の5時過ぎに息子をたたき起こして、人気も少ない最寄駅発の電車に乗り、
6:51 新宿発小田原行き急行電車に乗って、一路、新松田を目指す。

急行が途中から各駅に止まり始めた頃から、土曜日だというのに高校生が
大量に乗り込んできて、当方の下車駅・新松田で一緒に大量に降りる。

新松田駅前から、終点・関本を目指す。
途中、工場の送迎バスのようなルートをたどったりしながら、ほとんど我々しか
人の乗っていないバスは、メイン道路を避けつつ裏街道沿いに関本を目指す。

結構長い乗車時間だったが、途中、伊豆急の踏み切りを渡ったりして、
息子も飽きずに風景を楽しんでいたようだ。

30分以上乗った後、関本バス停に到着。
ここは、伊豆急・大雄山線終点「大雄山」駅前のバス停で、電車とバスで停車場名が
違っているが、実は隣接しているのでややこしい。


関本で道了尊行きのバスを待つ間、食料調達のためにコンビニを探したが
上手く見つからず、しかたないので、伊豆急・大雄山駅の売店で多めの
お菓子を買い求めておくことにした。(これが後で、大きな意味を持って来る)

高尾山の例もあるので、食料は道了尊の土産物屋でおにぎりでも買えば
よいやと、軽い気持ちでバスに乗って一路 道了尊へ向かう。
(今思えば、この時、付近の閑散とした雰囲気からその結果を推測するべきであった)

細い参道をそこそこ大きめの小型バスがぎりぎりで進み、かなりの傾斜のままの
終点に着く。

早速、土産物屋をのぞくが、あるのはせんべいや特産物の類のみで、食料と
なりそうなものは団子さえなかった。(ように思えた)

やばいなぁと思いながらも、子供を不安にさせたくなかったので、
しかたなく、まずは 道了尊 を散策する。

 
山門の一部

さすがに天狗様を祭る神社だけあって、

名物のでっかい下駄やらが一杯ある。


さて、今回の登山道の入り口をと、神社本殿奥の、でかい赤下駄脇を進むが、
なんか変。道がない。

事前情報ではこの下駄が目印なんだけどと、
おかしいなぁと思いながらお守り売り場の方に尋ねてみると、
もっと下の方にもう一個下駄があり、
登山道入り口はそちらだと教えられる。


どっちみち、本殿へのお参りはする予定だったので、回り道ではないのだが
道を間違ったという事実を、息子にねちねちと責められながら、正しい分岐
点まで戻る。
来るときに本殿へ進むために曲がった道の先にそれはあり、わからなくても
仕方なかったなぁと個人的に納得し、ついでに息子にも説明し、登山道に
取り付く。

  

登山道入り口でたたずむ地元の爺さんに、「これから登るの?」と謎めいた
問いかけをされ、「富士山登れるんだから大丈夫」などと話していると、
その爺さんにも、「それなら大丈夫だ」などと同意される。
確かこのルートは初心者向けのはずなんだがと、ちょっと疑問に思いながらも
元気よく出発する。

ところが、少し歩を進めて、ビックリ。
登山道がかなり荒れている。
多分、立て続けに押し寄せた大きな台風と豪雨のせいで、土が流されたのが
原因だと思われるが、階段の杭も流され、歩きづらいことこの上ない。

大人の足でも相当なものなのだから、小1の足にはさぞかし大変だろうと
思ったが、大した根も上げず(文句は言ってたが)、いつもどおり
ガシガシと登っていく。

写真を1枚も撮る余裕もないほど、足元に注意しながら歩いていたようだ。

初心者用のコースということで、あまり真剣に地図など見なかったので、
尾根までの距離もはっきりせず予想以上に歩かされた気がした。

それでも、ぽつりぽつりと同じコースとたどる人もいて、(つまり、
追いついて)、挨拶しながら先へ急いだのだ(追い越した)。

女性の二人連れの方などには、小さい体でガシガシ登っていく息子の姿を
見て喜ばれており、少しは癒しになったのではないかと思われる。

ようやく歩きやすくなってきた道 林道を越えてさらに登る登山道


舗装された林道を横切ったりしながら(これを尾根道に到着と勘違いしてかなりがっかりしたものだ)

 見晴小屋

 

  見晴小屋からみた風景  
    (足柄方面)

見晴小屋で小休止をしたあとは、今度はほとんど壊れていない尾根道を進む。

木々のトンネルのような、先ほどとは打って変わって歩きやすい道をスタスタ歩いて行くと、

木々のトンネル

でっかい

歯車のような構造物

突然、木々の間にでっかい歯車のような構造物を発見。
いったいこれはなんだろう??と息子と好き勝手な想像をしながら先へ進んで行くと、ようやくその正体がわかった。

道沿いに、スキーのリフトの支え鉄塔のようなものが見え始めたのだ。
とすると、先ほどのは、その形から、下側のケーブル送り装置となる。

でも、なんでこんなところに? と不思議だったが、多分、何かの工事の
資材運搬用リフトか何かだろうということで結論付け、先に進む。

この先も、谷を越えて鉄塔が存在して、息子は結構面白がっている。。
ちょうどよい、退屈しのぎになった。

途中、水場で神明水という
おいしい湧き水を飲み、
空いたペットボトルに詰めて
更に先に進む。

尾根に出ると、木々による
日よけが無くなり、
炎天下にさらされてクソ暑い。
二人とも、帽子をかぶっていて   
正解だった。
今日は日焼け止めも塗ってるし、
万全の体制なり。

景色はよかったのだが・・・

開けたところで、景色を眺めながらゆっくり歩いていると、後ろから
追って登ってくる人影があるが、その姿が妙にでかい。

なんだろうと思っていると、なんと、自転車を担いでいる!!

荒れた道は、途中までの林道を登ってきたとしても、その後もかなりの部分を
担ぐ必要があったろうから、大変そうだったけど、ちょっと楽しそう。
下りは楽チンかも。階段でなければだけれど。

まあ、富士山で自転車担いでいる人を見たこともあるので、これもありかと思えるが
木々の間を通るので、こっちの方が大変かな?、っと大きなお世話を焼く。

尾根伝いに進み、再び木々の中を通るようになったあたりで、小休止。

11:00頃だったが、昼食の空腹を先延ばしにするため、駅売店で買い込んだ
お菓子(コアラのマーチなど)を息子と食す。
これが、チョコレートの威力なのか、結構腹持ちし、この後の行動のエネルギー源に
なってくれたため非常に助かった。(買っといてよかった)

再びスタートしたところ、先行する中年ハイキングクラブ風の団体が道をふさいでいた。
避けるように抜きながらふと見ると、その中の一人の夫人が地面に寝っ転がって足を
押さえて苦悶の表情。
足を捻ってしまったようだが、あまりにひどい痛がり様で、リーダ格の人も
どうしたもんか困り果てている様子。

ただ、チカラのありそうな男性も数人いたので、子連れということもあり手助けは
遠慮させていただき、先に進む。


明神ヶ岳山頂への分岐点に着くが、特に山頂を目指してもいなかったのと、
深刻なエネルギー切れが怖かったので、下山方向に先を急ぐことにした。



途中、大きな石碑があった。
なんか偉い人が来た、みたいな内容だったと思ったが忘れた。

このあたりから下りになり、正面に箱根の山を見ながら、間の谷へひたすら
降りていくことになる。

正面の箱根の山

宮城野集落への分岐点

予定した分岐点も無事見つかり、結構な急坂を下りる。
そんな急坂でも、登ってくる人数組に合ったのには驚いた。(午後に入ろうという時間なのに)

段々、いつもの膝の痛みが発生してきてちょっと辛かったが、息子もまだ元気なので一安心。
途中、いたちや妙にキレイな鳥などを見かけながら、別荘地の中を通過し、
黙々と歩き続けること小一時間、宮城野集落に到達。

国号138号に出て、バス営業所(箱根登山バス)でトイレをお借りし、
ついでに強羅までの道を確認する。

教えられた通り、グネグネの急坂(県道732号)を見つけるが、事前情報で
入手していた階段が見つからなかったので、道路脇を登る。
これがなかなかすごい坂。

かなりの距離を歩くかと観念していたが、坂の途中でその階段を発見。

長い階段でしんどいのは変わらないが、ショートカットできると我慢する。

強羅駅前につくと結構な人がいて、切符を買うも、箱根の登山電車は立つことに。

でも、ドア近くの窓を占領できたおかげで、線路やら景色を間近に見られて
それはそれで面白かった。息子も文句も言わず40分ほど我慢して立っていた。

箱根登山鉄道一番の見せ場のスイッチバックも堪能し、終点箱根湯本駅に到着。
この日は、休日だからか、箱根登山鉄道は湯本←→強羅の往復だった模様。
湯本から先は小田急に乗車となる。

ロマンスカーの特急券は強羅で購入しており、待ち時間が1時間ほどあったので
以前から気になっていた日帰りの湯「かっぱ天国」に行ってみる。

箱根湯本駅駅の裏手の坂を上った上に、さらに階段を登る必要があったが、
足湯と露天風呂があり、今回はのんびり露天風呂に入る。
料金を忘れたので調べてみると、大人750円/子供400円だったらしい。
(足湯だけだと 大人200円/子供100円とのこと)

やっぱり、山登りの後の風呂は気持ちがよい。
露天風呂だったのでちょっと肌寒かったが、足はすっかりリフレッシュ。

湯冷めしないうちに駅前に戻り、お土産と夕食の弁当などを買い込み、
ロマンスカーに乗り込む(残念ながら、最新版の白ではなかった)
 
←私はこの古い形が観光特急っぽくて好き。

ともあれ、やっとこさありついた食事を楽しみ、ビールを飲んだ後には
二人ともぐっすり寝込んでしまい、目が覚めたのは新宿の寸前。

なんだか、ロマンスカーに乗った気がしなかったが、無事に新宿に
帰着できたのでよしとする。

予想以上にハードなコースではあったが、もう一度きてみたい。
特に、道了尊!!


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