(31) 石垣田

  この作品は,本文注釈にもあるように,作者の敬愛する
鉄道紀行作家 宮脇俊三氏の著書「ローカルバスの終点へ
の中の,能登島の旅編に一瞬紹介されている「石垣田」
モチーフにして書いた中篇である。
 但し,HP公開時に短縮せざるを得なくなり,なんとかそのエッセンス
が残るように努力したのだが,いかがであろう?

 わびしい離れ島で繰り広げられる閉鎖的なとある儀式と,その中で
垣間見られる人情を,邦画の絵として頭の中に思い浮かべながら
読んでいただければ幸いである。

(32) 一期一会

 この作品は,正月に見たNHK朝の連続ドラマ「あすか」のお茶会のシーンと
故・遠藤周作氏のエッセイ「茶席に呼ばれたことがありますか」
(眠れぬ夜に読む本)をヒントにして書いた作品である。

お国のためにその役目を信じて散って行った若い魂の苦悩,また,一見別世界の
ように感じられる茶の湯の世界の中に潜む,張り詰めた空気の正体を少しでも
感じていただければ幸いである。

(なお,この作品中の兵の階級名は,実際の呼称とは異なります。)

(33)アラジンランプ

 この作品は,YAHOO兵庫トピで,突然お題を振られたのをきっかけに
せっかくの21世紀の最初の作者の誕生日に何かを残したくて,意地になって
超特急でつくってみた作品です。
 そもそも,アラジンランプというのが何物なのかがわからないところから始まり
サイト検索で見つけたたった一枚の画像から(無断引用ご容赦!!),
作者の大好きなキャラを使って揺れる炎の感覚を夢想しながらの,
結構いいかげんな,でも心をこめた作品ではあります。
このきっかけを作ってくれた,ラスさんに感謝。m(__)m
 オチが,なにやらヨーロッパ映画のラストシーンを彷彿をさせて,なかなか
よい感じですね。(どこがや!!)