(1) メリークリスマス2015

執筆開始時期とクリスマスが重なったこと,及び,巷にあふれる
ハッピーな雰囲気とは一線を画したクリスマスの風景を描きたい
との作者の願いが融合した力作。

今後の作品の方向性を示すものとなる筈だったが,この手の作品は
かなりのエネルギーを消耗するため,なかなか後が続かないのであった。


(2) おとり捜査

クリスマス特別企画と称して,YAHOO掲示板参加者を入れ込んで
無理矢理作った作品。結構苦労した。

舞台は,反則酒場(変態酒場)であり,発足当初の悪趣味度が
高い時代背景を如実に物語っている。

なお,犯人役が作者であるという意見が多数出たが,断じて
そうではないとこを強調しておく。


(3) 小さな天使

この作品は,世のゴキブリ嫌いの風潮に鋭くメスを入れ,ゴキブリ
の世界でも,こんなに暖かいドラマがあるんだと,クリスマス的
エッセンスを加えた逸品。
たまに,ゴキブリという言葉だけで震えがくると言う御仁もおられ
るようだが,この心暖まる作品で,一度じっくり話してみようと
でも思ってもらえれば幸いである。
なお,情報によると「ゴキブリ大全」という本が刊行されたらしい
点を付け加えておきたい。


(4) 業(カルマ)

自殺志願者の悲哀と,その裏の見え隠れする陰謀を切々と説いた
力作。
しかし,「自殺を選ぶ」という気持ちに対する反対意見が多数
寄せられたのも事実である。

何故,こんな小説が頭に浮かんだのか...覚えていない...。
(決して,作者が死にたかったわけではない)


(5) 鬼のすむ谷

読み終わった方々から絶賛を得た(と思っている)逸品。
こんなにわかりやすい落ちもなかろうという,でも,
シリアスとアホのバランスのとれた作品だと思っている。
これも,結構疲れた作品である。


(6) シルバーシート

障害者ネタということで,様々な否定的反響をいただいた
問題作。
障害者問題だから,何事も差し障りなくという考えには疑問
がある作者の考えを世に問うた作品。

しかし,実際にこんなことがあったとは,びっくりした。
以下,その内容をYAHOO(ほれほれ)に投稿した時の文面(参照)

====== ココカラ ================
(1256)やっぱりあるんや,実際に>ALL ko2001
(36歳/男性/ 23区) 1999年2月2日 16時59分

NEWSグループのfj.rec.ail(鉄道関係のnews)見てたら,阪急の全席
優先化に関する議論で,以下のような話が載っていました。
わたいのHPショート「シルバーシート」はやはり実在してました。

−−−以下,(竹内さんという方の投稿(n50960)を参照します−−−
私の取引先の友人で、足の不自由な男がおります。彼は若くして不慮の
事故に遭い、不幸にして片足の腿から下を失い、以後義足に頼る生活を
余儀なくされました。
しかし彼は、それこそ血の滲むようなリハビリをこなし、その結果、
例えば階段を走って上り下りでもしない限り普通の人々と何ら変わら
ないような、動きが出来るようになったのです。
ある日、私は彼と電車に(それこそ阪急電車に)乗って移動することに
なりました。
優先座席(車輛の神戸よりのロング)端が空いていたので、彼にソコに
腰掛けてもらい私はドア横に立ちました。
十三を出て少しして、一人の老人が彼の前に立ち「若いクセにウンヌン
カンヌン」と説教をしだしたのです。
曰く「若いモノはなっちゃいない」、曰く「ワシに席を譲れ」。
私はその老人に彼は体調が芳しくない旨を説明したのですが、それを
聞いてどう具合が悪いのか説明しろと食って掛かる始末。
その時、彼は俯いて、ほんの少しズボンの裾を捲くったのです。
そこにはパイプ(=義足の一部)がありました。
周囲の全員が目を逸らし、老人は別の車輛へ移って行きました。
====== ココマデ ==================


(7) やさしい心

現代人の心にわだかまる,親切心,ひいては福祉問題にまで
純真な目を通して見据えた,ある意味問題作。
書き方の稚拙さは反省の余地がある。
また,差別用語に関しても認識させられた作品である。


(8) ロザリオ

この題名の「ロザリオ」は,航空機事故について書かれた,
「マッハの恐怖」柳田邦夫著 の,東京湾上で,千歳発
羽田行きボーイング727の謎の墜落の犠牲者の一人が
ロザリオを握り締めていたという話からヒントを得た。
ロザリオだったから神様の話系になった訳で,
もしも,数珠にしていたら閻魔大王の裁きの話になって
いたであろう。
安易に宗教に救いを求めることへの反発も含まれている。


(9) 日本一有名な...

きっかけは,執筆の数日前に見た「ドクタースランプ」の
「にこちゃん大王」の特集がすべて。
前半でどれだけうまく引っ張れるかと思っていたが,
あんまりうまく行かなかったと思っている。
でも,TVで,にこちゃん大王が結構いい奴だということが
わかって,執筆した甲斐があったと思っているこの頃である。


(10) 神になった男

以前執筆した,自殺願望の男の話への非難を乗り越え,また
死を見据えた作品に挑戦した一作。
ただ,あんまり悲壮感漂う作品にしたくなかったので,
なかなか骨が折れた,盛りだくさんの内容である。

透明人間になった気分で,もっと悪戯をしてもよかったのだが,
紙面が足りず,消化不良気味である。