不思議の科学  森田 健 著

    
発行:(株)同朋舎  定価1600円+

この本について話す前に,あらかじめ断っておきますが,私,感想室長は,
既存のあらゆる宗教にも属していないことを強調しておきます。
決っして怪しい人間ではありません。この本も全然怪しくありません。


 本当は,ぜひ皆さんの目でお読みいただきたいのですが,簡単に紹介
しますと....

この著者の森田健さんは,元々,某電気メーカ(感想室長とは無関係)にて
勤務されていましたが,退社後,「不思議研究所」を設立し,超能力やらなんやらの
不思議なことを研究されているのですが,この本でも,またまたやってます。

今回は,
・ 体外離脱
・ 心霊療法(フィリピン)
・ 中国の超能力者による物質瞬間移動,生命の蘇生
などを,自分の体を張って実験していきます。
これが面白い。
(X-LABなんて屁みたいなもんです。悔しい!!)

例えば,心霊治療で,普通は体の悪いところを,無傷で摘出する
ところを,なんと電波発信機を体に入れてもらったり,直腸深くに
(肛門から手で)入れた金属リングを出してもらったり....
で,結果は...
読んで見てください。すごいです。

さて,本論は,米国のモンロー研究所での体外離脱の実践ですが,
ここで,著者は色々な体験をする,と言うのがあらすじです。


これじゃわからんでしょう。
では,これを読んで感想室長が感じたことを,
私見バリバリでご紹介しましょう。

(1) 「幸せになるために手に入れるのではなく,幸せだから手に入るのだ」

 人は,幸せになりたいがために物品,愛情,恋人などを求めるが,本当は,
まず幸せであることが大事で,あなたが幸せであれば,欲しいものが勝手に
寄ってくるという意味です。
 努力する方向が違うんですね。

 私は,これを読んで,まず思い浮かべたのは,子供を授かるということでした。
 世の中には,結婚しても子供が授からなくて苦しんでいる夫婦がたくさん
いらっしゃいます。もちろん,私の身近にもたくさんいらっしゃいます。
 そう言う人は,「私達には何故子供ができないの?なんて私達は不幸なの?」と
考えてはいないでしょうか?
 子供が授からない原因の一つが,その考え方ではないかと思うのです。
 子供が授かるためには,まず子供に,生まれ来る環境が幸せであるということを
認めてもらえなければ,その機会が訪れないのでがないでしょうか。

 子供をお持ちの方なら,一度位は,子供がいなかったら,どんなに楽だろうと
思ったことがあるかと思います。確かに,子育てはしんどいです。大変です。
 でも,そうして子供が授かったということは,その子供が,私達を認めてくれて,
自らの意思で産まれて来てくれたのだとしたら,親にとってこんなにうれしいことは
ないでしょう。なんたって,現世の苦労などない(と思われる)世界から,わざわざ
私達の前に来てくれたのですから。

 こう言う考え方を理解してから,私,室長も,
子供に対して感謝する気持ちが芽生え
始めました。
子供の美しい瞳の奥に隠された,本当の世界が垣間見れる気さえします。
 
だから,今,子供と一緒に居るのが楽しくてたまりません。(自分の子供に限定(~_~;))

 ということは,これは,夫婦,家族との関係にもあてはまるのではないでしょうか。
 まだ,その境地には至っていませんが,これからわかるかもしれません。楽しみです。

 この話を聞くと,例えば,「未成年者が快楽のSEXで予期せぬ子供を身ごもっても,
それも,その子供が自ら選んで来たのか?殺されるかもしれないのに」とか,「産まれ
出てから障害をもつことがわかっていたとしても,やはり自ら選択してくるのか」などと
考える方がいらっしゃるかもしれません。
 その疑問の答えは,私は持っていません。おっしゃる通りかもしれません。でも,魂は
上位の世界から何らかの学びのためにこの世に生まれ出てくるという考えかたもあります。
正直申し上げて,わかりません。
この点については,この著者と実際にやりとりをして,何らかの解答を探って見るつもりです。
(最近の,体外受精時の異常遺伝子の排除問題にも絡むかもしれません)
何かわかったら,またご報告したいと思います。


(2) 「あなたは誰ですか?」 「私は誰でもありません」

 「あなたは誰ですか?」 とあなたの魂に質問されています。なんと答えますか?
 「私は,山田一郎というものです。」 これは,今の時点では正しいでしょう。
 でも,聞かれているのは,魂に対してです。今の時点のあなただけではありません。
 もし,聞かれた時点が,生まれた直後,もしくは生まれる寸前だったらどうでしょう。
 あなたに名前はありましたか?

 禅問答みたいです。でも,この著書では,答えのひとつとして,「私は誰でもありません」
を紹介しています。
「私は誰でもありません」 は直訳すると,”I am not anyone.” となります。
つまり,「私は,他の誰でもない,私です」となります。
もうひとつの英語表現は,
”I am nobody.” = ”I am no body.” = 「私は肉体のない存在です」
また,
「私は肉体のない存在です」 = 「私は肉体に(何物にも)縛られない自由な存在です」
となります。(と著者は説明しています)
このあたりは,概念的なことになるので,実際に著者の言葉を理解してみてください。

ただ,面白いことを,著者はおっしゃっています。

「私は森田健です,と言ったとたんに,私は私の固定化された自分を表現しています 」

「私達は,いつも自分を律して,人生を苦しい修行であると考えてきませんでしたか?
 いつも二者択一の出来ない自分を悔やんできませんでしたか?
 でも,もし,自分が誰でもなくなれば,あれかこれかの世界ではなく,あれもこれもの
 世界になるのです。   」

どう,感じられますか?


以上,いろいろ小難しいことを書いてきましたが,この本自体は,そんな文章は少なく,
半分,アホ話みたいで面白いです。このHPのX-LABのコーナーを見て,人体実験を
「アホかいな,こいつ」を笑って読まれた方なた,この本は絶対面白いです。

ぜひ,御一読をお勧めします。

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