常神岬へ


4月の終わり、毎年開催されている湯郷ハーレーフェスティバルの準備をそろそろ始めようと、いつもの宿に宿泊の予約をするために電話をかけたところ、今年のフェスティバルは中止になったという。
全国規模で開催される本フェスティバルは、毎年それこそ全国各地からハーレーライダーが湯郷に集結する。このフェスティバルを楽しみにしているライダーは多い。
湯郷観光協会に確認の電話を入れてみた。今年のフェスティバルは中止ということであった。中止となった事情は詳細不明だが、残念である。
インターネットでも、ハーレーフリークの間では、「湯郷ハーレーフェスティバル中止」のニュースで持ちきりとなった。
昨年の「湯郷」は初日から雨が降り、意気地なくも車で参加し、結局はハーレーで来なかったことを後悔したのだった。だから、今年こそはどんな天候であろうともハーレーで参加しようと意気込んでいただけに、中止と聞いてがっかりした。
「それなら、私たちだけで一泊ツーリングしましょう!」・・・と伊勢湾ハーレークラブの会長K氏と相談し、6月2日・3日にツーリングを行うこととなった。
その後、K氏がツーリングの全てをコーディネートされ、目的地は福井県は常神半島の先端にある常神岬と決まった。岬にある料理が自慢の民宿が投宿先だ。
ツーリングコースも、行き・帰りともK氏が考えてくれた。
K氏からツーリングの行程表を郵便で頂き、早速事前に地図を見ながらコースをなぞり、その日を待ちわびた。
西名阪道「関」IC近くの喫茶店で集合し、一般道を使って、琵琶湖方面に向かい、奥琵琶湖経由で三方五湖へと北上。宿は、三方五湖の先にある常神岬にある民宿だ。走行距離は200キロ程度と近いため、時間的には随分余裕のあるツーリングだ。
ツーリングには伊勢湾ハーレークラブからK氏を含む3名、私と家内そして長女、それに今回はネットで知り合った天理市にお住まいのアクティブなOさん(主婦)の7名が参加した。長女は既に大型二輪免許を取得しているが、愛車は250CCのホンダレブルだ。Oさんは、今年中型二輪免許を取り、すぐにヤマハのドラッグスター(400CC)を愛車として乗っておられる。他のメンバーは全てハーレーだ。
初日、私たちはOさんと事前に西名阪道「伊賀SA」で待ち合わせた。
約束の時刻前に我々が到着すると、すでにそこにはOさんが・・・。
挨拶を交わし、早速集合場所に向かった。
関ICを下り、喫茶店には集合時刻の一時間前に到着。店はまだ閉まっていた。

はるばる川西からワゴン車で集合場所まで来られた鯨さん  喫茶店の前で鯨さんと談笑する 
駐車場にバイクを並べていると、そこになんと鯨さんが・・・! 
鯨さんは、最初、このツーリングに参加する予定だったが、体調を少し壊されて、ドクターストップがかかり、やむを得ずツーリング参加をキャンセルされたのだ。お住まいは兵庫県は川西市だが、早朝から遠路はるばる我々よりも早くからこの集合場所に来られ、待っておられたという。
乗用車で来られたが、ツーリングに行けないことがとても残念だと何度も仰っていた。
やがて店が開いたので、中に入り、コーヒーを待ちながら他のメンバーの到着を待った。
定刻の午前8時きっかりにKi氏、やや遅れてM氏、K氏と到着した。鯨さんが同席されているのでK氏も驚くと同時に、再会を共に喜ぶ。
9時前まで談笑し、鯨さんに見送られていよいよ出発した。
天気は爽やかに晴れ、受ける風の心地よさは格別だ。
ハーレーの鼓動を感じながら、K氏を先頭に、すぐ後にOさん、そして家内・長女と女性ライダーを挟み、後ろに私、M氏、Ki氏と続く。
今回は、小さなデジタルビデオを首からぶら下げ、走行中の様子を中心に記録した。

爽やかな風を受け走る・・・  K氏を先頭に続く3台は女性ライダー

道中、何度も休憩を挟み、一般道を隊列を組んで飛ばさずに走った。
先頭のK氏は、普段は大型の輸送トラックを運転されるベテランドライバーだ。
今回参加のOさんは、バイクの運転はビギナーなので、Oさんに無理がかからないように気を配りながら走っていた。そのため、Oさんも休憩のたびに、だんだんと無駄な力みも取れ、リラックスしてバイクと一体感が掴めだせるようになったと、喜んでいた。
琵琶湖の湖岸道路、奥琵琶湖湖畔道路、滋賀県の田園を貫く快走路・・・
ゆったり、のんびり快調に走った。
信号待ちで注目される  天理市のOさん、愛車はドラッグスター  
目的地の民宿には余裕の時刻に到着。
駐車場にバイクを並べ、部屋に案内され一息ついた。
常神岬の民宿「小西屋別館」  小西屋に着いて駐車場でホッとする

早々にお風呂を頂き、さっぱりとした。
やがて待ち兼ねた夕食。

テーブルについて待っていると、最初に出てきたのがイカの活き造り。まだ、足が動いている!
ビールで乾杯もそこそこに、そのイカをつついた。身が引き締まってこりこりして甘くて美味い!!!
まだイカが終わらないうちに、今度はヒラメの活き造りが・・・。これもまだお頭付きで口をパクパクさせている。
えんがわを頂く。う〜ん!もう最高の美味さ!!!うんうん・・・と頷くのみ。
続いて、石鯛の活き造り!
更に、あわびの造り!
トビウオの造り!
ウニも一個を半分に割って、まだ棘が動いている!なかのオレンジ色の身を食べると、これがまた絶品!

まだゲソが動いている!超新鮮な活け造り  コリコリのヒラメの活け造り

あわびの刺身  棘が動いている!ウニ。ひゃ〜!!!

タコの刺身とトビウオの造り  食べきれないほどの新鮮な海の幸でテーブルは一杯!

いや、もう凄いの何の・・・!
ビールなんか飲んでる場合ではないのだ。
たらふく食べたが、それでもまだ刺身がたっぷりと残っている。勿体無いと思うのだが、もう食べられない・・・。
締めは、自家製沢庵で、美味しいご飯を食べた。そこへ、タイミングよくヒラメの残り身でダシをとったお味噌汁が出てきた。
あ〜!満足!!!
皆、お腹が一杯で苦しそう・・・。ご馳走様。

部屋に戻ると布団が敷いてあった。しばらく雑談して、午後11時ごろには就寝。窓を網戸にしていると、涼しい海風が時折り入ってくる。海は凪いで静かだ。
知らぬ間に寝入ってしまった。

翌朝、目が覚めて腕時計を見ると、まだ午前6時前。外は明るくなっている。
パッチリと目が覚めてしまった。布団の上であぐらをかいて、外を眺めながらタバコに火を点けた。ふ〜っと吹き出した紫煙越しに、湾の水面がきらきら朝日を浴びていた。

さっと着替えて外に出た。
駐車場に止めたバイクは朝露で濡れていた。タオルを持ち出して、露を拭った。
男性メンバーは全員、自分のバイクを拭いていた。
私も、自分のハーレーを拭き終わると、長女、家内そしてOさんのバイクもついでに露を拭いた。
部屋に戻ってしばらくして、家内たちも起き出したようだ。

そうこうしているうちに午前8時を過ぎ、朝食の準備が出来たと連絡があった。

朝食前に。このあと名物「鯛めし」が・・・!

朝食のメニューはここの名物の一つの「鯛めし」。
直径40センチほどの大鍋で、鯛を丸ごとぶち込み、味ご飯として炊き上げてある。
宿の女将が、鯛の身を解して骨を取り除き、炊き上げたご飯と鯛の身を混ぜるのだ。アツアツのご飯から湯気が上がり、鯛独特の香りが部屋に充満する。
これは美味そうだ。ぐ〜っと空腹感が出てくる。
先ず一杯目。鯛からのダシが出て、絶妙の味だ。味噌汁、漬物にもよく合う。
二杯目は自分でよそった。お焦げを混ぜる。焦げた部分がまた美味い!
こんな朝食は初めてだ。普段から朝食は習慣的に摂らないのだが、こんなに美味しいとお代わりまでしてしまうから不思議だ。
朝からまたお腹一杯になってしまった。
部屋に戻り、腹をこなして落ち着いたところで、帰り支度を始めた。

バイクに荷を積み、記念撮影をしようと駐車場でバイクを動かし、全員で海をバックに「はい、チーズ!」。
さぁ、いよいよ出発だ。

ハーレーを移動して記念撮影の準備中   左から家内・長女・Oさん・K氏・私、左下がKi氏・右下がM氏

今日は、違うルートを使って帰る。鯖街道を南下する予定だ。
昼過ぎに休憩で立ち寄ったログキャビン風の洒落た店に入った。お昼時だが、鯛めしが効いて、全くお腹が空かない。
みんなアイスコーヒーなどを飲んでいた。
この店で、ここからの帰るルートを再検討した。当初は、京都大原の三千院に立ち寄る予定だったが、予定を変更して三千院へは寄らずに奈良の針のハーレーショップに向かうこととなった。
昨日よりもお天気がよく、おそらくは行楽客で車も人も多いだろうと予想されたので、三千院はパス。
それに、天理市のOさんが、最終的には一人で反対方向に帰ることになるので、少しでもOさんのお住まいに近いところで解散しようとなったわけだ。
琵琶湖大橋を渡り、湖岸道路を走り、瀬田の南郷洗堰経由で信楽に抜け、和束方面に南下、山を縦断して針へと向かうルートを選んだ。

琵琶湖大橋で  湖岸道路で、後方を写す(私が先頭)

トンネルで轟くハーレーの重低音のハーモニー

交通量の少ないルートを選ぶとどうしても山越えになる。
難所は、笠置から柳生に抜ける笠置山添線だ。短い区間だが、上りが厳しく、狭い上にヘヤピンカーブが数箇所ある。
かつて、家内がこのカーブで立ちごけした曰くつきの道だ。
このルートは私が先頭を走った。対向車が来る可能性が多いので、露払いの役目をしなければならない。
ヘヤピンカーブでは出来るだけ大回りして、楽なコース取りで走った。
幸い、カーブの途中では対向せずに済んだ。
皆、無事に走り抜け、午後4時過ぎに針のハーレーショップに到着。
この店は私たちがいつも世話になっているハーレーの代理店だ。
駐車場にバイクを並べ、休憩させてもらう。

針のハーレーダビッドソン奈良店で 家内とOさんのツーショット

Oさんもこのツーリングで、いろいろな道を走り、一気にライディングに自信を深めたようだ。「走っていて楽しい、もっと走りたくなる・・・」なんて言葉が出るようになったのだから。
愛車のドラッグスターをこの一泊ツーリングで完全に調教したようだ。
これからはご主人の言うことを忠実に守る頼もしい鉄馬となるだろう。
小一時間をここで過ごし、いよいよ解散することにした。
Oさんとはここでお別れだ。
残りの我々は上野ICまで一緒に走って帰った。
上野ICから私、家内、長女が出た。他の面々は四日市方面のメンバーなのでここで手を振って別れた。

自宅駐車場に午後6時過ぎに無事到着。
ガレージにバイクを止め、エンジンを切って漸く緊張から解放された。
留守番の長男・次男が笑顔で出迎えてくれた。