ハーレーとの一体感
9月の連休に久しぶりに長距離ツーリングに行きました。行くまではわくわくしていたんですが、生憎の雨のため、そして私のヘリテージの調子がおかしくて大変でした。(詳しくは主人がレポートしています)
雨の日にハーレーに乗るのは初めてではありませんが、ハーレーに乗るのはやっぱりお天気のいい日が最高です。
雨の日はスリップしそうで怖いのです。普段、車に乗っているときはそれほど気になりませんが、道路のマンホールの蓋や、高速道路の繋ぎ目(金属製の鋸の歯のようなギザギザの形をしたジョイント部分)とか、道路に書かれた文字や白線など・・・二輪車では簡単に滑ります。
直線が主体の高速道路ですといいのですが、くねくねとした道では晴れた時のように気楽に走れません。
先日のツーリングでもそんな山道を走ったのですが、とても緊張しました。
バイクで滑って転びでもしたら大怪我するでしょう。ですから雨の日にハーレーで走る時は自然といつもよりも緊張してしまいます。
それに前回書いたように、立ちごけをしてしまったので最近カーブが苦手です。広い道で大きくカーブしているような道ですと気持ちよく回れるのですが、狭くてきついカーブなどはステップをすぐに擦りそうでスピードを落としてしまうんです。主人と一緒に走っていても、そんなカーブ道になるとすぐに「スピードを落として曲がってね」と無線で言っています。
こんな私に主人が以前からバイクと一体感を感じてコーナーを回るようにしないとダメだ・・・と注意されていました。
「腰のあたりでバイクを操ると一体感があって曲がりやすい」とか「上体の力を抜いて、コーナーに差し掛かれば目線が大事だから、コーナーの曲がる方を見ながら、きっかけをハンドルで作ってやればいい。右に曲がるなら右ハンドルを手の平で軽く押すようにすれば自然とバイクは右に傾いて曲がりやすくなる・・・左に曲がりたければ左ハンドルを押す・・・」などと教えてくれてはいたのです。
でも、何となくわかったようなわからないような・・・。生返事をしていました(汗)。
先日、主人と娘そして娘のボーイフレンドの4人でミニツーリングに行こうという事になりました。
奈良県の針にあるハーレーショップで娘たちと待ち合わすためにでかけました。そこにいつもお店によく来られるハーレーライダーの田井さんが遊びに来られたので、久しぶりにいろいろとお話をしていました。田井さんは黒のウルトラを改造しておられます。週のうち3,4日は一年中ハーレーを乗り回しておられるそうです。いつもビシッと格好も決まっていてとっても素敵です。レイバンのゲシュタボタイプのサングラスもすごくお似合いです。
ツーリングに行くお話をすると、「それじゃ、一緒に行こう」ということになりました。ご一緒するのは初めてです。
先頭はいつものように主人です。そして娘・ボーイフレンド、私。最後尾を田井さんが走ることになりました。
ハーレーショップを出て、コースは走りなれたルートです。ほとんど郊外なので、車の少ないとても走りやすいルートです。
秋の初頭で、暑くもなく寒くもなく、風もとっても気持ちがいいのです。
やがて山間部に入り、道は次第に高度を上げ、大きなカーブが続きます。道幅が広いので気持ち良く回れます。峠のトンネルを過ぎ、今度は下りです。下りは苦手なのでまたいつものように主人に無線で「飛ばさないでねぇ・・・」とお願いしました。
主人はスピードを抑えてくれました。おかげでいつものように曲がることが出来ました。
下りきってから途中の食堂の駐車場で小休止しました。
バイクを降りて田井さんたちとお話をしました。下りカーブでゆっくりだったので田井さんに「スピードが遅くて走りにくかったでしょう・・・?」とお聞きしました。田井さんは、そんな話から私がカーブを苦手としていることを察知して、アドバイスして下さいました。
私の後ろを走っていた田井さんによりますと、私が下りのカーブを走っている姿はバイクに逆らって乗っているように見えるそうです。
カーブを曲がるにはバイクを傾けなければなりませんが、バイクの傾きに逆らうように起き上がっているそうです。そのために余計に曲がりにくくなるんじゃないかと仰いました。
指摘されたとおりだと思いました。無意識のうちにバイクの傾きに逆らっていたようです。
そして田井さんに教えてもらったテクニックは、両膝でタンクを挟み込み、コーナーを曲がる時は曲がりたい方の膝を少し緩めて反対の膝でタンクを押さえ込むようにするといい・・・というものでした。
それとハンドルとの距離がありすぎて突っ張っているように見えるので、もう少しシートの前に座りハンドルとの距離を近づけて、肘にゆとりがないといけない・・・とも言われました。
なるほどそう言われると、私のライディングポジションは背もたれがあるために、それにもたれかかっています。そのためにどうしても両腕がぴんと伸びてしまうのです。もっと身長がある腕の長い人なら問題ないのでしょうが・・・。
そんなヒントを頂いて、その駐車場を後にしました。早速、言われたようにシートの前に座るようにしてコーナーを曲がる時に膝に注意してみました。するとこれまでよりもずっと楽な感じです。
帰り道は峠道もなく高速道路を使って帰りましたが、西名阪道路に入ると、一部、峠を越えるところがあります。そこもどちらかというと苦手なところです。ところが田井さんに言われたようにしてみると、いつもよりも気持ち良くカーブを走ることが出来たのです。
なるほど・・・これがバイクとの一体感なのかな・・・と嬉しくなりました。
針ICを出て、ハーレーショップに戻りました。
田井さんが「う〜んと良くなったね。後ろから見てても、あれなら安心できるよ。」とお褒めの言葉を頂きました。
これまでいつも主人の後ろばっかり走っていたせいで、自分の走る姿を客観的に見てもらう機会がなかったのですが、今回はとても実りのあるツーリングでした。
主人も「今度は僕が後ろを走っていろいろとアドバイスしてやるよ」と言ってくれました。
ハーレーと一体感を感じながら走れたらこれまで以上に走ることが楽しくなるに違いありません。
ライディングテクニックもいろいろあるのだなぁ・・・と思いました。主人の言っていたことと、田井さんの言われたことは違いますが、どちらもハーレーとの一体感を感じるように走るためのテクニックです。
これからもっとそんなテクニックを身につけて、気持ち良く走れるようなライダーになりたいと思いました。