作者の御好意によりポスターの文面を掲示しました。
        お願い
作者ケーコさんに無断で使用しないでください。
                   管理人
●コンセプト

誰もが知っているトラ。
では、そのトラが、今絶滅の危機にあるということを知っている人は、
どれくらいいるでしょうか。
今世紀になって、野生のトラの生息数は95%も減少し、
今では地球上にわずか5,000頭が生息するのみとなってしまいました。
トラを守るために、私達は何をしなければならないのでしょうか。
まず、トラが絶滅の淵にあるという事実を、
一人でも多くの人に知ってもらうために、
トラの保護ポスターを製作する事にしました。

トラが絶滅の危機に瀕しているということを、
トラの縞模様を、人間の都合によって絶滅してしまった
動物たちのシルエットを使うことによって表現しました。
シルエットだけでは理解が困難なため、
一つ一つに、絶滅理由などの、簡単な説明を入れました。
また、黄色と黒という配色により、
危機感を強める効果が出たと思います。
下の部分には、左から
今世紀初頭のトラの生息状況、
今世紀に入りトラの生息数が激減したという事実、
私達一人一人への呼びかけを入れました。
さらに、絶滅の危機にあるのはトラだけでないということを、
コラム的要素で補足しました。
また、些細な気遣いが自然を守る事に役立つという意味を込めて、
用紙には再生紙を使用しました。

これを見た人が、トラを始めとする絶滅動物への理解を深め、
一人一人が自然に与える影響に気付き、
個人でできる事は何か、考えるきっかけになれば良いと思います。




●キャッチコピー

仲間になるかも知れません。



●左のポスター

○サブキャッチ
100年前、トラは10万頭いた。

○コピー
今世紀始め、トラは10万頭いたといわれています。
100万年もの間トラは、東西にはトルコ東部から朝鮮半島まで、
南北にはシベリアからバリ島まで、広い範囲に分布していました。
しかし、今世紀に入り、トラの生息に適した環境が、気候変動や森林伐採により狭められたこと、
美しい毛皮や、伝統的な漢方薬に使われる、トラの体の一部を目的とした
狩猟の活発化などにより、
その生息数は急激に減っていきました。

○コラム
知っていますか?ワシントン条約会議

絶滅の恐れのある野生動物の種の国際取引に関する条約。
日本を含め、約130国が締結している。
トラ以外にも、サイやゾウなど様々な動植物を対象とし、
種の保存のための規定が定められている。



●中央のポスター

○サブキャッチ
今、全ての亜種が絶滅の危機に。

○コピー
今世紀だけで、野生のトラの生息数は95%も減少し、
今では地球上にわずか5千頭が生息するのみとなってしまいました。
バリ、ジャワ、カスピトラの3亜種は絶滅し、
他の5つの亜種、シベリア、アモイ、ベンガル、マレー、スマトラトラは、
全てが絶滅の危機に瀕しています。
ワシントン条約に基づき、世界的に広がりつつあるトラの派生物の販売禁止にかかわらず、
密猟はいっこうになくならず、
トラは急速に絶滅に近づいています。

○コラム
知っていますか?地球温暖化

二酸化炭素やメタンガスを始めとする6種類の温室効果ガスによって、地球上の気温が上昇する現象。
この気候変動によって、野生動物たちも生息地や食料の減少など、
多くの影響を受けている。



●右のポスター

○サブキャッチ
トラを、幻の動物にしないために。

○コピー
ジャイアントモア、ドードー、ブルーバックなど、
人間が自分達の勝手な都合によって絶滅させてしまった動物たち。
これから先、トラが、彼らの仲間になってしまうかどうかは、
ひとえに私達人間の手に委ねられています。
トラを保護する事は、健全な生態系<生きている地球>を維持する事にもつながります。
トラが地球上から消えようとしている今、
残された5千頭の為に、私達は何をすればよいのでしょうか。

○コラム
知っていますか?絶滅の状況

1,600年から今までに記録された絶滅種の数は、
動物484種、植物654種。
現在絶滅の恐れがあるとされる生物種は、
動物5,366種、植物26,106種。
いずれも、十分な情報のある種だけのごく一部の数でしかない。