2002年5月9日、千葉県による「女性サポートセンターオープン記念フォーラム」が行われました。
堂本暁子知事のミニ講演と、お茶の水女子大学の戒能民江さんと、「女のスペース・おん」の近藤恵子さんと、知事によるてい談がありました。

千葉県は4月より「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)
の本格的施行に伴ない、配偶者からの暴力に苦しむ女性を支援する為の拠点「配偶者暴力相談支援センター」として、「千葉県女性サポートセンター」を開設しました。

ここのセンターの業務は以下のとおりです。

 
・ 
相談(電話・来所相談)
被害者と同伴児童の一時保護
カウンセリング
保護命令申し立てについての教示・助言
被害者の生活再建に向けた支援
関係機関や地域相談窓口への情報提供や助言
関係機関に対する事例研究など研修の実施
DV被害者支援に関する情報収集・調査研究及び関係機関との連絡調整

 

 
電話番号

043-302-1015
043-245-1719
相談の連絡は24時間受け付けています

来所 月曜日〜金曜日
9時〜17時
場所   千葉県千葉市中央区出洲港7−43
[JR外房線本千葉駅から徒歩10分]
URL 千葉県女性サポートセンター

 

知事は開所まもなくセンターを視察し、その実態を講演の中で披露されました。

来所: 17件/うちDV14件
電話相談: 621件/うちDV144件
滞在者: 初日7組以来、24日目で18組31人が滞在している

一人一人の話を聞くと、現代社会の縮図のようで、現代社会のひずみの現われと思われる。
知事はこのDV法の制定に参議院議員として深く関わってこられ、今知事として、センターをいち早く開設し、法律を現実に使いこなそうとしておられます。

女性センターの業務の中の、保護命令申し立てとは、配偶者による暴力は犯罪であると法に詠われ、裁判所が女性の保護命令を出すことができます。2001年10月に施行されて以来、千葉県では28件の警察への申し立てがあり(東京都15件・埼玉県4件)、実際に保護命令が出たのが14件うち、逮捕1件と言う成果がありました。「DVってなに?」というマニュアルを県の職員や県警察、裁判官、医師会等に配布したり、研修を行ったりして周知された成果だと言う事です。

これだけでなく、被害女性たちからの声に、なお耳を傾け、課題をたくさん指摘され、解決へ向けて、対応をしていくとのことでした。

  ◆今後の課題
 
県に1つのセンターでは不足。各市町村の対応が必要 
 
売春防止法にもとづく、婦人相談所のイメージを一掃する
 
女性の人権守ること、医療や心理的ケアを充実させる
 
2週間で退所しなければならないが、その後の行くさきがないという問題の解決
 
こどもの学校の問題
 
15歳以上の男子の入所の問題
 
医療機関との連携
 
県営住宅への優先入所
 
健康保険証の利用が困難等々


これからは、「おんなのスペース・おん」のように、行政の隙間を埋める様々な民間の支援活動が生まれるといいと思います。具体的には、障害女性の支援・外国人女性の支援・性被害を受けた子供のサポートや情報ばかりを提供する団体・それらのネットワークを支援する団体の設立などです。
多様な活動が期待されます。

私たちは1996年から県内の女性政策やDV対策について調査をしてきましたが、その後、法律ができ、知事によって、センターも開設され、その後の課題に向けて、対応を考えていこうと、次々と進んでいく女性政策に感動してしまいます。
私たちの手で、私たちと同じ「言語」と「感性」を持つ女性知事が誕生して本当に良かったと思います。



   
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