2000年10月、長野県知事に田中康夫氏が就任しました。 その後、田中知事は、大仏ダム・淺川ダム・下諏訪ダムなどの中止を表明。2月には、「脱ダム」宣言を発表しました。詳細はこちら(長野県知事田中康夫と申します) 公共事業のあり方が問題視される中、田中知事の発言は画期的なことと感じました。 市川市においても、外郭環状道路・江戸川の可動堰の改築・三番瀬の埋め立て等、国や県のかかわる公共事業があり、住民との合意形成が困難な状態にあります。 これからの公共事業はどうあるべきか、公共事業に頼らない社会をつくれるのかをさぐりつつも、また、現地の事情・住民の声ははどうなのか、視察することとなりました。
田中知事の脱ダム宣言は「数百億円を投じるコンクリートのダムは、看過し得ぬ負荷を 地球環境に与える。いずれ造り替えねばならず、堆砂を数十億で処理する事態も生じる。子孫に残す資産として、の河川・湖・沼の価値を重視し、多くの水源を擁する長野県に置いてはできる限り、ダムを造るべきはない。」としています。 特に、下諏訪ダムについては、「治水、利水ともに、ダムによらなくても対応は可能。治水は堤防の嵩上げや川底の浚渫を組み合わせて対応。利水は新たな水源を求めるとしている。」 と主張しています。 これに対して、現地下諏訪町では、”「ダムの是非」を言う前に、「砥川の治水と利水」をかんがえてほしい”とし、以下のような問題点を指摘していました。
わたしたちは、「天井川」というものをこの目で視察し、一昨年の大雨の写真を見せもらい、問題点等を聞くと、本当に治水とダムの難しさを目の当たりにし、ダム建設の是非について判断がつかなったというのが正直なところです。 老朽化した江戸川の可動堰の改築問題も、「100年に一回の洪水」が話題になります。それにも耐えうるようにと、スーパー堤防や巨大な堰をつくろうとする国の治水の方針がありました。しかし、最近では国土交通河川局では「洪水は必要なもの」との考えにかえてきています。しかし、川原にはりついた人家を移転しないまま、洪水は仕方ないとは言えません。人命にかかわることだからです。
大雨の度に対応に苦慮している職員の不安も理解できます。 後日明日香村の治水の遺跡をTVで見ました。大昔の人々はその土地の地質を充分に研究したうえで、自然にあわせた治水、自然を利用した賢い生活をしていたのだと感じました。「川は生き物」
コンクリートで抑えることはできないこととして、この問題もやはり充分に考えるべきでしょう。
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