私の現在の職業は市議会議員です。私は「政策決定にも女性の視点が必要だ」との認識のもとさまざまな女性達による「市川に女性市議をふやそうネットワーク」を結成して1993年の秋に市議会議員として初当選しました。それまでのいきさつ、そしてまだまだ足りない女性議員について、ここでお話しようと思います。

◆女性行動計画を策定してはいたが、市川市の女性議員は減る一方だった1991年

千葉県市川市は都心から20分の所に位置しており、人口44万を抱える都市です。ここで女性運動が芽生えたのは今から20数年前のことでした。それ以来先輩諸姉がコツコツと運動を展開し、男女平等社会の実現を訴えてきました。そのため、市川市は88年、県下でもいち早く女性行動計画を策定し、91年女性センターも完成し、審議会への女性登用率も20%を目標に着々と進んでいました。(現在は30%)

一方、残念なことに当時女性議員は減る一方。91年統一地方選挙では44名の議員定数のうち、ついに女性はたったの2名となってしまったのです。「政策決定の場に女性を!」と訴え続けてきた私たちとしては、甚だ不面目な状況です。もうこれ以上、女性議員を減らせません。

◆女性議員を市議会に送りたいと調査をはじめた1992年、突然補欠選挙が決まった

私たちの手で女性を市議会に送りこまねば、との思いが募りました。そこでまず92年に、私たちは過去5年間の議事録の調査を始めました。そこでわかったことは、男性議員の視点が私たちと全く異なるという事実です。

特に、教育や福祉に関しての切り口の違いが目につきました。また市議会を傍聴すると、そこでは男性議員の権威主義的な発言、ヤジ(特に女性議員に対して)、居眠り、うろつき、雑談等々を目にすることに。私たちは目の前の光景にただただ落胆したのでした。

そのころ、私たちは市川房枝さんの「理想選挙」というものについて学習しました。そして、この方法なら、市民の手づくり選挙で戦えるかもしれないと感じることができました。しかし、95年までの2年半の間で、じっくりと運動を展開しようとしていた矢先、2議席の欠員ができ、93年秋に補欠選挙が行われることになりました。

◆ダメでもともとと挑戦した1993年の補欠選挙

私たちは悩んだ末、本戦に向かってダメでもともと、やってみようということにりました。私たちに時間はなく、すぐに走り出さねばならなない状況でした。
補欠選挙に向けて、93年に入ってからは、多くの女性団体に選挙ノウハウを伺いました。「大丈夫!あなた方にもできるわよ!」という、女性たちの励ましで私たちは立ち上がることができました。

発起人に女性運動の活動家、主婦やさまざまな職業の女性たちが集まり、93年4月「市川に女性市議をふやそうネットワーク」を結成しました。
選挙までの7ヶ月、私たちは何もかも初めての経験をすることとなりました。大きなハンドマイクを購入。手づくりの旗をもって、駅前で街頭演説が始まりました。道行く人にビラを配り、初めはオドオドしながら紙に書いた原稿を順番に読み上げた。「市川に女性市議は2人しかいないことをご存じですか?」「女性の視点を市政に生かさねば、住みよいまちは創れません」「女性議員をもっとふやしましょう」議会傍聴の呼びかけや講演会等も開いて街宣活動を拡げていきました。

◆女性のネットワークは強かった。口コミで運動は拡がった  

しかし、それから先の選挙こそ全く未知の世界。ちょっと進むと迷い、迷ったら先進的な運動団体に聞きに行きました。また少し進んでは迷い、また他の経験者の知恵を借ります。この補欠選挙は11月が投票日というのに、10月初めに集まった名簿はやっと500です。補欠選挙には3万〜4万という票が必要だとのこと。カンパも集めだしたが、何と難しいことか…。

 しかし、女性のネットワークの強さか、口コミで運動は大きく展開し、11月にはあちこちでミニ集会の誘いがあり、カンパも順調に集まってきました。トータルで70数回のミニ集会を開催、350万円のカンパが集まり、私は「市川に女性市議をふやそうネットワーク」推薦の女性市議第1号として、93年秋、当選したのです。

◆そして現在3期目に

現在私は3期目だが、この9年間の議員活動のなかで、常に新人女性候補の発掘に心がけてきました。又、会の年間活動として、「身近な問題はすべて、政治に関わっている事」に気付いてもらうようなイベントをしてきました。そして、選挙が近づけば、各政党支部に赴き、「女性候補を擁立してほしい」と訴えてきました。その結果、現在女性議員は8名となり、現在、彼女らと議員提案の「男女平等基本条例」づくりを進めているところです。

◆来年市議会議員選挙があります!

そして、来年の市議選へむけて、無所属の市民派女性議員を増やすべく調整に走っていますが、前途多難。しかし、諦めずにぎりぎりまで、新人女性候補者を擁立できるようにしたいと思っています。目標は女性が10人を超えること。市川市在住の女性で、挑戦する意思の人いませんか!!一緒に政治に参画しましょう!

ご意見、ご感想をぜひおきかせください。Email:takayo-i@msh.biglobe.ne.jp

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