新館の落成にともない、このホームを地域の人々の交流の場にしようという援護協会の小旗事務長の願いが実現した。まず、サントス氏の日系老人クラブが結成され、ホームの入居者も会員となり、ホールを使用して月一回の会合を持つことになった。また庭にゲートボール上が整備され、地元のゲートボールクラブの人々が教えに来るようになった。 このホームには以前から資金集めのパーティなどで協力してくれた夫人のボランティアグループがあった。それを再組織し、私のレーションの継続をお願いした。とうとう私も援協から離れて帰国するときがやってきたのである。この継続の件についても1年前からスタッフと調査や検討を重ね、実現したものだ。 まず、登録票をつくりボランティアについて講話する機会をもちむりのないペースでできるものからプログラムにしていった。

 
 
みんなの歌にオルガン伴奏
うれしそうに百人一首の解釈をしてくれる。老人ホームに笑顔が戻ってきた
「おりがみ教室」「音楽−いっしょに歌おう」「踊り講習」「月1回の昼食会」「縫い物での援力(すそあげ、補修)」などである。 それからこのボランティアグループの人々には時間のある時に自由にお年よりを訪問し、話し相手をしてもらうことになった。 まだまだ多くの問題はあるが、ホームはこうして地域にひらかれ、入居者は心の隅に追いやっていた自己を取り戻し、表現するようになった。雰囲気は明るく、各人の表情も豊かになった。 私達スタッフは一人ひとりの老人を一人の人間として尊敬し、その秘められた可能性を信じることの大切さを学んだと思う。

ここに3つの絵を紹介したい。精神障害をもつ入居者の描いたものだが、心の変化がはっきりあらわれている。 私にはこの3枚の絵が私の仕事に対する評価のように思えた。この仕事を通して、多くのお年よりから貴重なものをいただいたと思っている。この絵は今も大切な宝物である。

 
 
[1]
心の目がじっと見つめ、涙を流している
[2]
次に芽が出て葉が出てくる
 
 
  [3]最後にのびのびと成長し、花を咲かせている。  


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