帰国して社会問題を学ぶ


カウンセラー訪問
10年やれば、何かモノになる。そのための今だから・・・。そう思って勉強を続けながらある日、ふと頭に浮かんだことがある。それは夫の二度目の海外転勤だ。そんなことになれば、私達家族も必ず一緒に行く。これは私たち家族の原則だった。
しかし、反面私は不安だった。今、着実に歩んでいる気になっている自分がいて、夫も家族もそれを受け入れてくれていて、夫と私との関係もうまくいっている。しかし・・不安だった。
私はある日、女性の心理専門のカウンセラーを訪れた。
「何年か後にあなたが就職できたとして、その後、夫の転勤があったら、あなたは夫を単身赴任させても仕事を続けますか?」
との質問に、私は即座に
「そんなことは絶対にしません。家族が離れて暮らすのはよいことではないと思います」
と答えていた。そのくせ、
「私は夫という大文字のAのまわりを、いつもぐるぐる回るスモールaにはなりたくない」
などと理屈をこねる。
「そんな理論はどうでもいい。あなたが仕事をしたい動機がはっきりしなければ、どうせ途中で挫折する!」
とカウンセラーはぴしゃりと返してきた。

確かに的を得た指摘だと思った。自分の中でもやもやしていることをはっきり指摘されたようでいやな気分で電車にのった。
しかし、今はあれこれ悩むこともないのかもしれない。そのうち、自然に選択できるようになるのかもしれない。
私と同じ疑問をいだいた友人は、パートで稼ぐという選択をした。彼女もまた「これでよかったのか」と悩むという。どんな選択をしてもそれが正解ということはなく、不安がつきまとう。それが現代の女性の生き方なのかもしれない。
わたしは気を取り直して、大学の授業と試験、そして地域活動をこなしていった。


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