帰国して社会問題を学ぶ


心理士になりたいという夢
やりたいことはがむしゃらにやってしまった2年間。何だかんだと理屈をつけ、自分の行き方を肯定してきた2年間。少々しんどいけれど充実した毎日ではあった。
しかし、ふと振り返るとやっぱり経済的に自立していない自分がいる。なんとも後ろめたい気分。
「将来の自立のための今なんだから、充電できるときは充電すればいいのだ」
という自分がいて、「結局は自立していないゾ」というもう一人の自分がいる。大きく飛び立った気分でいたのに、今だに地面をはっている自分。
私は大学で勉強したり、地域活動をしてきたのに、
「お仕事は?」
の問いに下を向く。
「仕事はしていません。主婦です」
と苦しまぎれに答える時、やっぱり矛盾していると、もう一人の私が言う。余暇をもてあました、サラリーマン夫人の趣味の生きを今もなお脱していない自分が残る。
女性問題懇話会の仲間と自立、自立と討論しあい、
「ああここに来ると満たされる」
と思っている自分とまた戦わなければならなかった。

その頃、「ハッピーエンドコンプレックス」という本に出会った。
「今そうしているのは、自分がそれを望んでいるからであり、その時代の最新の”解答”だからではない、ということをはっきり意識するのは大切なことです」
「私たちは後退したり前進したりしながら、常に完全に近づくために上昇しているのです」
「自分でもわからない問題を解決しようとして職業をもつということは、どこがわるいのかわかっていない病気に薬を飲むようなものです」
「一人の女性として、当然生計の大部分を賄うために、自分で稼がなくてはならない。その技術は必要。でも一年以上家にいたら、技術を再び磨かなくてはならないことを知っておくこと」

こんな本に励まされながら、私は大学や地域活動をする中で、将来心理士になりたいという夢をもつようになっていった。心の悩みをもつことは決して以上なことではないこと。また、それは世の中の流れに対してのSOSであることに共感を覚え、自分も援助する側になれたらと思ったからである。そしてそれを職業として働きたいと思うようになっていった。

こうして将来、職業人として経済的にも自立することを目標に置くようにすると、それまでの充電・再学習している自分に自身が持てるようになってきた。


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