帰国して社会問題を学ぶ


放送大学、青少年補導員
なんだかんだと、子供をとりまく教育環境に頭をつっこんでいるうちに、教育や心理という分野を、改めて勉強したいと思うようになった。
その頃、放送大学が開校し、人気を集めていた。私は早速資料を取り寄せてみた。カリキュラムの中には興味ある講座があり、ぜひもう一度勉強してみようという気になった。テレビ・ラジオを通じての授業の他、面接授業もあり、私は久しぶりに学生気分に戻り、うきうきと勉強をはじめた。

一方1987年、私のPTA活動は児童委員会へと移った。児童委員は校内でベルマーク集めや非行防止のパトロールを行っているが、小学校代表として一名が市川市の青少年補導員を委嘱される。私はこれがやりたくて児童委員となった。当時問題になっていた青少年の非行の現状をこの目で確かめたかったし、子供たちに接触する機会を多く持ちたかったからだ。
市川市の青少年補導センターは、小学生から18歳までの青少年の非行防止とその健全な育成を図るため、関係機関団体との連携を保ちながら街頭補導、少年相談などの実践活動を推進している。
街頭補導は年間延べ1500人の補導員が繁華街、ゲームセンター、路上、公園などをパトロールする。少年相談は、電話だけで年間2000件。応対には退職教員2名があたっている。 このような活動に一年間かかわってきて、この仕事の難しさを感じた。大学での理論と異なり、現実にそれを実践するというのはとても困難なことだ。

しかし、こうしてあらゆる機会に学習していくうちに、自分の問題から出発しながら、夫や子供たちをもまきこむ社会問題に気づかされていった。今自分が抱えている問題は、自分と家族だけの特殊な問題なのではなく、戦後日本の社会システムの中に組み込まれることによって生まれてきた、ごく自然な「おかしなこと」だったと思えてきたである。


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