帰国して社会問題を学ぶ


PTA
自立について、女性問題について考える一方で私は、二人の子供の就学を機にやりたいことを探し始めた。そしてみつけたのがPTAである。

4月、学年初の保護者会での役員選出。あの重苦しい雰囲気は、多くの母親たちが経験済みだろう。私の頭にもPTAというと「わずらわしい」という先入観があったが、どうせやるなら徹底してみようと広報委員に名乗りをあげた。おまけに副委員長をくじ引きで決めることになり、私があたってしまった。

初めての会報に「お父さんの出番です!―共に育てるPTA」という特集を組むことにした。父親が参加する学校行事は、運動会や授業参観。しかし、日曜日の授業参観にはあふれんばかりに父親が参加するにもかかわらず、その後の担任との懇談会になると、スーッと父親たちの姿は1/4程度に減ってしまう現実をどうにか打破してみたかった。
もちろん私の夫も平均的な父親だ。授業参観は面白がってのぞきにいくが、その後の懇談会になると「おれ、先に帰るよ」となる。会社の会議ではとうとうとしゃべる夫も懇談会の席ではうつむいてしまう。しゃべれないわけでもないのに口が重くなってしまう。ひょっとしたら私が、「これは私の分野だ」と決め付けて夫の出番を封じてきたのではないだろうか。世の父親はこうして子供にかかわることから遠ざかっていくのではないだろうか。
私たちはその後も「お父さんの出番です!―パート2」として、父と子の座談会を企画したりした。

こうしてかなりの時間を費やして議論していくうちに「煩わしい」PTAも面白く、充実したものになっていった。


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