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ある日、かねてから関心を持っていた「講座・主婦」を教材に学習会をするという広報記事に出会った。
「あっ、これだ!」
という思いで参加したのが「市川女性問題懇話会」というグループだった。今思えば、この講座と、この懇話会との出会いが、その後の私に大きな影響を与えてくれたように思う。それまで、自分だけの悩みだと思ってきたことが、そこでは一般論として話題にされていたことに新鮮な驚きを感じた。
「講座・主婦2−壁の中の主婦たち」(汐文社)の中に次のような一節があった。
「戦後、女も”人間”になった。基本的人権を保障された自由な人格として、幼児から男女平等の民主教育を受けて育つ。自分を大切にし、自分を育てることを目標にする教育である。男も女も同じように受験戦争をくぐりぬけ、高等教育を受け、就職して、自分の名前と個性をもつ一人の人間として、自分の生活をつくっていく・・・(中略)・・・
バラ色のスイートホームにあこがれた女たちの多くが、その後の主婦生活の中で「こんなはずではなかった」ともらすのは、平等時代に育った彼女たちにとって主婦人生とはもともとそうした人間的欲求不満を内在させた生き方であるという事実を、自分が体験することではじめて知ったということなのであろう」(木村栄著)
私の悩みは単に私だけのものではなく、戦後生まれの30代、ニューファミリー族、サラリーマン夫人の典型的な、ごく自然な現象であることを知った。そして、こんな風な思いの女たちの多くが、そこからのがれたいと望んでいるという。
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