タイトル



第6話    交通事故
  「サスケが、車にはねられた!」 驚きました。でも、カミサンの腕に抱かれたサスケを
見た限りでは血も流れていないし、「キョトン」とした顔をしてます。「どれ?」と私が抱こうと
した時、「キャン!!!」とサスケが鳴きました。明らかに「痛い!」と言っています。その
はずです、サスケの右後ろ足はブラブラだったのですから。「うわぁ、完全に折れてるよ!、
これ!」私とカミサンは取るものも取らずに車で病院へ向かいました。その間のサスケと
いえば、外の風景を「キョロキョロ」と見ています。「何も悪いところはないよ」と言うように。
カミサンに話を聞くと、朝早くで人通りが無かったのでリ−ド(綱)を外して散歩させていた
ところ、猫を見つけて追いかけて行ってしまったというのです。カミサンの「サスケ!」の声
も無視して走り出していき、慌てて後を追いましたが見失いました。探し歩いている途中で
顔見知りの人が「向こうでうずくまってるの、お宅の犬じゃない?」と言われ、急いで向かう
と道路にうずくまるサスケがいたというのです。「驚きと痛さ」で動けなかったんでしょうね。
しかし、いくらそばに飼い主がいないからといって、これ「ひき逃げ(当て逃げ?)」ですよ
ねぇ。病院についたサスケはすぐにレントゲン検査を受けます。当然のごとく見事に「ポッ
キリ」と折れていました、救いは複雑骨折ではなかった事です。「単純骨折ですから良かっ
たですね。特殊な金属(腐らない?)を芯にして双方の骨の真ん中をくり貫いて差込む手
術をしてギブスで固定します。」と先生はおっしゃいました。「良かった・・」とホッとしたのも
つかのま、先生の言葉には「次」がありました。「ただし、内蔵からジワジワと流れ出す内
出血があった場合は申し訳ありませんがあきらめて下さい。今晩一晩、様子を見て内出
血が認められなければ明日、手術という事で・・・。」「・・・・・・ヨロシクお願いします。」
これしか言えませんでした。サスケは「なんで僕を置いていくの?」という目で私達の後を
追おうとしています。看護婦さんに抱かれたサスケは入院施設に消えていきました・・・。

       一晩、負けるなよ!サスケ!
 


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