タイトル



第3話     散歩嫌い
  さて、「由緒正しき雑種」のサスケですが、予想外のお坊ちゃま。もう一つの問題
は「散歩を嫌がる」って事なんです。抱っこして表に連れ出すんですが地面に降ろすと
一目散に玄関に向かって逃げ帰ってしまうんですよ。地面に足を付けるのが何よりイヤ
みたいです。「そんなにイヤならクツでも履かせるか」なんてカミサンと冗談言ったりして
たんですが、それでもそこは犬ですね、徐々に徘徊を始めました。家の回りのわずかな
隙間(庭とは呼べない)を自分のテリトリ−にしたのでしょう、そこにはトコトコと出て行き
オシッコやウンチをしていました。「ま、自分の家の敷地内だからいいか。」と思っていた
んです、ところがいつのまにか自分のテリトリ−を着々と広げていたんですねぇ・・・。
そのテリトリ−というのが隣の家の庭だったんです(^_^;)。ある日、隣の奥さんが来まし
た。「あのぉ・・・お宅のワンちゃんがウチの庭でウンチしてるんですけど・・・。」
「はぁ?」にわかには信じられなかったのですが行ってみると、「あっ、りゃぁ〜!(恥)」。
そこら中にウンチが・・(^^);。中には相当日数がたっていそうなものまであるんですよ、
隣の奥さんも我慢の限界だったんでしょうね。もう恥ずかしいやら申し訳ないやらで早速、
後始末。お詫びをして帰ってきたんですが、当のサスケは無邪気に纏わりついてきます。
「お前なぁ!」と怒りたかったのですが無理にでも散歩に連れていかなった私達に非があ
る訳ですからね。次の日、サスケにとっては拷問のような市中引き回し(散歩)が始まっ
たのは言うまでもありません(^^);。お座り状態で引き摺られるサスケですが、お決まりの
犬のマ−キングの匂いに感づきだすと、「お、何だこりゃ?」と興味を示し出した様子でよ
うやく自らの意思で歩くようになってきました。そして改めて外界の楽しさに気が付いたの
でしょう、キョロキョロと景色を見たり、アッチコッチの匂いを嗅いだりと楽しそうです。「やっ
ぱり犬は散歩が好きなんだな。」と安心したのもつかの間。子供って興味を持つと「飽きる
か、寝る」まで続けるといいますが小犬もそうだったんです。帰らないんですよぉ〜!(^^);
今度は逆に、私が市中を引き回される事になったのでした・・・。
  

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