タイトル



第11話    父とサスケ
 ここからは、自分にとってチト、辛い話を書かなくてはなりません。しかし、サスケのエピソ−ドと
コタロ−の登場を書くには避けては通れないのです。物語からは逸脱しているかもしれませんが、
お付き合い下さい。サスケはウチの父が大好きです、父もサスケが遊びに来ると大喜びで遊んだ
り散歩に連れて行ってくれたりしました。サスケが小さい時は、無意味に足を踏んで鳴かせてみた
り、足をヒモで縛って歩かせたり、ちょっと聞くと「動物虐待」に聞こえますが、それが父とサスケの
コミニュケ−ションだったんです。どんなコミニュケ−ションじゃ?(^^);。しかし、さすがにサスケも大
きくなると「今までの恨み!」ではないんでしょうが、ズボンを噛んで引っ張ったり、ふざけて噛んだり、
ボ−ルを投げろと要求したり、と完全に父を遊び相手にしていました。それでも父はニコニコとサス
ケの言いなりになって、かまってくれました。年末を迎え、私とカミサン、サスケは両親と正月を迎
える為に実家に行きました。ところが父は2日ほど前から熱を出して寝込んでいたんです。でも、
私達、なによりサスケが来るというので起き出してきました。「いいよ、オヤジ寝てろよ。」という
私の言葉にも、「ああ、大丈夫だよ。」と答え、いつも通りにサスケと遊んでました。年が明け、
親戚の家での「新年会」から帰った父の熱は依然として下がりません。でも、本人は「今年の風
邪は長いから・・・」と言うだけです。母も「寝正月してれば大丈夫よ。」とお気楽モ−ド(^^);。かく
いう私もそう思っていました。サスケは相変わらず父にベッタリで、「お父さんは具合悪いんだか
ら、ダメ!」とカミサンが叱っても、「フン!」てな顔で言う事を聞きません。父の横で甘ったれて
います。「ホントにあんたはお父さんが好きなんだねぇ。」と母もあきらめ顔です。母とカミサンは
川崎大師へ出かけました、私も所用で出かけます。「お父さん、サスケは後で散歩に連れてい
くから大人しく寝てなさいね。」と母は言い残したそうです。ところが母とカミサンが帰ってくる途
中でサスケを散歩させてる父とバッタリ会ったというのです。散々に父を叱る母に「だって、行こ
う、行こう、ってサスケが催促するんだよ。」と父はボソッと言ってました。翌日も父の熱は下がり
ません、「やっぱり高齢者の熱はコワイから病院へ行こう。」と、私は嫌がる父を連れ出しました。
かといって、世の中は「お正月」の真っ只中、仕方なく近くの診療所に向かう事にしました。サス
ケとカミサンはベランダからお見送り、サスケは不安そうに私達を見ていました。レントゲン写真
の結果、恐れていた事が現実となりました。父は「肺炎」にかかっていたのです。そのまま紹介
された病院に入院する事になり、直行したのです・・・。
 

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