奥村 敏さん
奥村さんは、平成11年5月24日に亡くなられました。
心よりご冥福をお祈り致します。
・生年1956年(昭和31年)。
・NTTに勤務していたが、最近退職した。
妻の佐智子さんは1才下、明るくおしゃべり好きな友達夫婦。
・歩(あゆむ)君は16才。小学校のときに父が入院、お弁当を作って病院へ届け、両親を泣かせた。
・1991年、岸和田市民病院にてALSと診断され、93年呼吸器装着。
・「ベッドにつながれたサイボーグ」と自ら形容する状態を、点滴を外し、チューブをとり、人工呼吸器だけを持って自宅に帰るまで8ヶ月間、地域では前例のない在宅人工呼吸療養は、奥村敏の奮闘から実現した。
口筆画たちに感謝
杉原充晃さんの口筆画を見たときは、口だけでこんなすばらしい絵を描く人がいるのか、と大きなショックと感動を受けました。
健康なときから絵は好きで、何とか自分も口で描けないものだろうかと思ったものの、もしできないとわかったときの挫折感はないだろうかと考えると、とても不安でした。
最初は文字の練習から始め、なんとか読める文字を書けたときは、ホッとしましたが、絵をなればまた違う難しさがあり、ただ見たものを描き写すというだけで精一杯の状態でした。
描き方のコツも少しわかり始め、題材をよく観察できる余裕も出てきたころ、あることに気がついたのです。
それは絵の題材にするものは、人工的なものより、自然のものの方が描きやすく、出来あがった作品自体にも命があるように感じられたのです。
体調は落ち着いているが、不自由な身体や呼吸器をつけた姿を人目にさらしたくないと、マイナスな考え方を持ち、外出に躊躇されている方は、ぜひ少しだけ勇気を出してみてください。空は四角いものではないということを、思い出してください。
そして、外出することで、障害者に慣れていない健常者の意識を、私たち自身でかえていきましょうよ。
それがALSの理解と研究につながる大事なことのように思います。