親子会社間、関連会社間において公正な価額で譲渡する事を証明する資料として鑑定評価を依頼される事があります。 本件は自動車会社の自動車試験場の鑑定評価です。 自動車試験場は主に自動車の性能テストを目的とした施設で、通常秘密保持の目的から郊外の山林を開発して作るようです。本件案件も山の中にある大規模な施設で、私自身も始めてみました。 勿論、通常の取引の対象とされるような物件ではなく市場性はありません。従って建設費用から算出した価格を基本にしなければ評価不可能です。費用の大部分は山林を開発したものである事から、大部分は造成費用となり、施設建設費は僅少です。問題の造成費用に関する資料は殆どない現状でした。如何にして造成費用を算出するか?大学の土木課を専攻し建築会社に居た私にとっては本来の自分の土俵の問題です。しかし全く分かりません。入手可能な資料を全て入手し、調べ、同期の建築会社に勤務する友人にも調べてもらったところ、今ある資料だけでは雲を掴むような話しであることが分かりました。誰にも分からない事が分かった以上、与えられた条件内で出きる限り合理的な想定を積み上げていくしかありません。また正解がない以上、合理的な想定であるならば誰も否定出来ないというマイナス的な安心感もありました。 寝ても覚めても勉強し、考え評価書を作成しました。 当事務所はどんな案件にもチャレンジし御客様の満足できる鑑定評価書を目指します。 |