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価格の偏差値を求めるHEADLINE

土地が全体取引の中で高いのか安いのかの売買の参考にする
不動産鑑定評価に役立つ取引価格の分散

 不動産鑑定評価では、あまり考慮することのない価格の分散(価格のバラツキ)について検討します。  
 現行の不動産鑑定評価では情報量が少なく、多面的な正確を持つ土地価格の適切な把握が困難と思われます。従って当事務所では不動産鑑定評価基準を定型的に遵守するのみならず、出来る限り価格の本質を追究、解明し室の高い鑑定評価書になるよう努力しています。不動産価格のバラツキは取り引きする当事者間においては非常に重要な要因です。
 
不動産価格のバラツキを求める
不動産鑑定評価によって市場性を反映した価格を求めた場合(売買の成立するであろう価格を取引価格の平均値で求める場合)、は通常○円と一つの値を算出して結論とします。しかし、求めた土地を売り出した場合、全く同じ価格で売れる場合は極めて希でしょう。100万円/uで不動産鑑定した土地が102万円/uで売れたり、98万円/uで売れたりと。しかし誰も2万円程度の差異なら文句を言う人はいないと思われます。何故なら「通常よくある程度の誤差」の範囲内と判断するからです。しかし、売れた価格が110万/u円だったらどうでしょうか?70万/u円だったらどうでしょうか?高すぎる?安すぎるのでしょうか?はたまた鑑定評価が違っているのでしょうか?こうした問題に関して統計的な視点からも判断材料を加えてはどうかと思うのです。即ちバラツキの程度(標準偏差)を求める事により、評価額は100万/u円であり、110万/u円以上の取引は18%の確率で起こりうる、また70万/u円以下の取引は3%の確率で起きる!などと言える事になり、110万/u円の取引は通常起こる範囲内の取引であるが、70万円/u未満の取引は極めて希な取引であると言えるようになります。(一方70万円の場合鑑定評価の妥当性に関する疑問も)また鑑定評価を依頼する側においても、どの価格で売れるのか?という問題に関して中心点である一つの価格(鑑定評価額)のみで表示されるよりも、100万円/uが中心、90万/u〜110万円/u範囲内で取引される可能性は65%、80万円/u〜120万円/uが85%、70万円/u万〜130万円/uで取引される可能性は95%と言った具合に可能性で表示した方が有用性が高いと思われます。更に言えば同じ鑑定評価額であってもバラツキ(標準偏差)が異なる事により、その価格の持つ意味が大きく異なってくるはずです。少なくとも一つの鑑定評価格をただ指し示すのみでは価格に関する情報が少なすぎると思えるのです。(勿論、取引が正規分布しているか?標本が少ない、母集団とは?等の多くの問題はありますが)
 近年評判の法科大学院の適正検査が今年9月5日に行われました。1部と2部に分かれ(いずれも50点満点)、1部の平均点28.88、標準偏差9.20点、2部の平均点、34.18点標準偏差6.88点でした。これらから1部で50点満点の者の割合を求めれば約1.10%、2部の50点満点の者は1.07%と1部の方が平均点は5点程度低いのにもかかわらず50点満点の者は2部とほぼ同じであることが分かります。これは1部がパズル的な問題で得意な者は比較的高得点を取り安く、苦手な者は全然ダメと両者の差が大きいことから標準偏差が比較的大きくなり、一方2部は国語の読解力のような問題であったため得手不得手の差が小さく、標準偏差が1部と比較して小さくなったためこのような結果が出たと思われます。
不動産に関して言えば成熟した住宅地は標準偏差が小さく、商業地は大きくなると思われます。
不動産鑑定に役立つ統計分析