本文へスキップ

ご相談は無料、全国の案件も迅速に対応致します。親切、丁寧がモットーの神代不動産鑑定所へ

電話でのお問い合わせは042-486-3443

〒182-0007 東京都調布市菊野台1-46-7-101

不動産鑑定評価に役立つ市場分析HEADLINE

不動産鑑定、不動産調査報告書の質的向上に役立ちます

 不動産鑑定評価では把握することの出来ない不動産の取引市場分析を行いました。現行の不動産鑑定評価では情報量が少なく、多面的な正確を持つ土地価格の適切な把握が困難と思われます。 不動産鑑定では3〜6事例程度の事例から判断するのですが、広範囲(調布市内)の把握出来る全ての取引から総額、単価、地積について分析します。
下の3つの図は
調布市平成22年度を中心とした約1年間の土地取引をそれぞれ取引金額の総額、単価、地積を現したヒストグラムです。(なお明らかな異常値、宅地でないと思われる取引は除いてある)。ヒストグラムの形状より下記のような事項が推測されます。
不動産鑑定に役立つ市場分析
土地取引の総額−最も多く取り引きされる価格帯は平均価格帯より小さい
不動産鑑定評価における規模格差の検討
 
上図は土地取引価格の総額のヒストグラムです。34百万円〜37百万円の取引が一番多くこの区間の取引(以後、最頻値いう)を中心に広がった形になっていますが、中心が左方(安い方)によっています。このような形状の場合、全体の平均値、中央値(全体の真ん中の値)より、最頻値は小さくなります。従って最も取引件数の多い価格帯の取引は「平均的な価格での取引」とは必ずしも言えません。最も取引件数の多い価格帯は、平均価格より低額となります。このような形状で代表的なものは国民の所得のヒストグラムです。かつて「統計の嘘」とういう本で、矢張り本件ヒストグラムと同様の形状になる国民所得のヒストグラムを用いて庶民(一番多い件数の区間)の国民所得は国民の平均所得より低い、即ち不平等であると言うことを主張していました。
 規模による単価と総額の相関関係は強く、本来十分な検討を行う必要があります。不動産鑑定評価においても規模過大による減価を出来る限り理論的に求めることが望まれます。それには広範囲から本件のようにバラツキ具合を把握すると共に、価格と規模の回帰分析等を行う事が不動産鑑定評価に有用と思われます。

不動産鑑定に役立つ市場分析
土地の取引単価には大きなバラツキがある−土地の地域性、個別性が大きく価格に影響
不動産鑑定評価における単価の持つ意味に対して問題提起

上図は土地取引価格の単価(円/u)のヒストグラムである。最頻値(最も件数が多い区間)が二つあり、この二つの山を中心に広い範囲において、取引件数に大きな差がなく緩やかな傾斜になっている印象を受けます。(20万円以下の取引は戸建住宅の敷地でない、或いは不動産会社の取引等との特殊な取引と判断されます)。これは不動産が立地条件、個別性によって大きな差異を有しそれぞれが価格に反映されるためです。バラツキの程度からいかに立地条件、個別性による影響が大きく、個々に異なる影響を与えるかということが分かります。
またこうした土地単価の性格を知れば高い、安いの幅が広く容易な判断は難しいと言えます。不動産鑑定評価はこうした土地の持つ立地条件や個別性を価格に反映し鑑定評価額を決定しています。ただ不動産鑑定評価では、こうした不動産の差異を経験的、慣行的に用いられる数値を使っているに過ぎないという面もあるかと思います。不動産鑑定評価においては、立地条件や個別的条件も出来る限り統計的に数量化することが望まれます。
不動産鑑定に役立つ市場分析
地積は標準的な大きさに収束−単価に係わらず同程度の戸建住宅の敷地が多い
不動産鑑定評価が必要となる場合

上図は土地取引の地積(面積)のヒストグラムです。
115u〜130uを中心に急峻な山となっている。(大規模のものは主に不動産会社の取引と判断される)既述の取引単価の標準的な価格にバラツキがあるのにたいして取り引きされる地積は相当に限定した範囲に特定でき、ある程度標準的な地積というものが存在します。
こうした標準的な地積なら比較的土地価格は把握し易いと思われますが、標準的地積と乖離した地積の場合、地域の地価水準と大きく乖離するため土地価格の把握は困難で不動産鑑定評価が必要となります。