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調布市に住む不動産鑑定士のコラムHEADLINE

不動産を正確に鑑定し不動産を証券化する
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はじめに

  不動産を所有している方の中には、不動産の価格が高過ぎて買い先が限られている、保有資産に対して不動産の割合が大きすぎる、と考えている方も多いのではないでしょうか。
そのような不動産は証券化することにより、幅広い買い先にアプローチしたり、リスク・リターンをコントロールしたりすることが可能になります。
ここでは不動産証券化の仕組み、そしてメリットについてご紹介します。
 

不動産証券化の仕組みを知る
不動産証券化とは、不動産の所有者が証券化のための器であるSPV(Special Purpose Vehicle:合同会社や特別目的会社が一般的)を利用した仕組みをつくり、不動産をこのSPVに譲渡し、SPVがその不動産が生み出す将来のキャッシュ・フローなどを裏付けとした資金調達を行うことです。
不動産を証券化することにより、その不動産から得られる賃料収入(インカムゲイン)や将来的に不動産の価値が上がった状態で売却することによって得られる値上がり益(キャピタルゲイン)を期待する多様な投資家から資金を集めることができます。

【不動産証券化のメリット1】大型物件の売却が可能
不動産を証券化するメリットとして、まず「大型物件の売却が可能になる」という点が挙げられます。
大型物件に限らず、不動産は一般的に流動性が低い(売りたい時にすぐに売れない)といわれており、その理由の一つに価格が大きいことが挙げられます。しかし証券化の仕組みを利用して小口化することにより、複数の投資家から資金を集めることが容易になるのです。

【不動産証券化のメリット2】リスクとリターンのコントロールが可能
メリットの2つめには、「リスクとリターンのコントロールが可能になる」という点が挙げられます。
不動産には、ローンの金利上昇リスク、テナントの退去などによる賃料収入が下落するリスク、地震や津波などの天災リスクなど様々なリスクがあります。しかし、証券化の仕組みを利用することにより、これらのリスクを転嫁あるいは軽減することが可能です。
証券化の際には、不動産から生じるキャッシュ・フローを受け取る権利を証券の形にして投資家に保有されることになりますが、その証券の種類を複数作ることが可能です。
例えば、ローリスク・ローリターン、ミドルリスク・ミドルリターン、ハイリスク・ハイリターンの証券をそれぞれ作り、全て外部の投資家に保有されれば、リスクは転嫁されたことになります。一方、その一部を保有すればリスクを低減したことになります。そして一部を保有し、徐々に外部に売却していくことも可能です。
自分の期待リターンやリスク許容度に応じて保有する証券の種類や額をコントロールできることが現物不動産にはない証券化の大きなメリットです。

【不動産証券化のメリット3】オフバランス効果
3つめのメリットは、不動産を保有する企業などにおけるメリットです。企業は不動産を証券化することにより、財務改善につなげることが可能です。
不動産を証券化することによって、不動産を企業の貸借対照表から除外することができます。そして、証券化で調達した資金を負債の圧縮に充てることにより、自己資本比率の増加、固定資本比率の減少、資本負債比率を減少させることにつながります。これを「オフバランス効果」といいます。
ただし、全てのケースでオフバランス効果が得られるわけではないため注意が必要です。

おわりに
証券化にはここに挙げた以外にも多くのメリットがあります。しかし、証券化のストラクチャーを構築するためのコストがかかる、全ての不動産が証券化できるわけではない、などのデメリットも考慮することが必要です。
また、証券化をする際には不動産の市場価値を適切に評価するため、不動産鑑定が不可欠です。そのため、どのような方法が最も効率的か不動産鑑定士などの専門家に相談することが重要になります。