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荒川区の地域情報

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荒川区は昭和7年(1932)10月1日、北豊島郡南千住、日暮里、三河島、尾久の4町が合併して成立、東西約5.8km、南北約3.2km、面積10.16kuの区である。区の大部分は隅田川以南の沖積低地である。通称諏訪台あるいは道灌山と呼ばれる日暮里駅から西日暮里駅周辺の台地が海抜20mほどの山手台地となっている。17世紀後半、小塚原町、中村町(いずれも現南千住6丁目素盞雄神社周辺)が千住加宿となり町場を形成していたが、他の地域は明治の末まで低湿地の特色を生かした水田および蔬菜類の栽培の盛んな都市近郊農村であった。江戸期には低湿地の多かった本区の区域は将軍家の御鷹場となっていたほか、都市近郊地の特色として小塚原に刑場と火葬場が設置された。諏訪台(新堀台地)から東方一帯に広がった低地の眺望は江戸名所の1つとして、その景勝が喧伝され、江戸中期より新堀を「日暮里」と書くようになり、さらに「ひぐらしの里」とも呼ばれ、歴代将軍も鷹狩りにさいしては、眺望に優れた浄光寺で食事を取ることが多かったという。当区区域は明治から大正期においても数年ごとに洪水の被害を受け、特に区内一帯が泥海と化した明治43年の水害では、その被害は東京下町全域に及んだこともあり、翌明治44年(1911)から大正13年(1924)までかけ、荒川放水路の新設が行なわれ、荒川区における水害はほとんどなくなっている。工業地としては、南千住の荒川沿いに明治12年に内務省勧農局所管の千住製絨所の創設に始まり、荒川の水運と出水常襲地帯の安価な土地に支えられ南千住に近代的な工業地帯が形成されたが、第2次大戦後は、設備の老朽化、産業構造の変化等により、その多くは環境の良い中高層共同住宅地に変貌した。

鉄道交通機関及び各駅としては、JR常磐線(日暮里、三河島、南千住)、JR山手線・京浜東北線(日暮里、西日暮里)、つくばエクスプレス(南千住)、京成本線(日暮里、新三河島、町屋)、東京メトロ千代田線(西日暮里、町屋)、東京メトロ日比谷線(南千住)、都電荒川線(13駅)、新交通システム「日暮里・舎人ライナー」(平成20年3月30日開業、日暮里、西日暮里、赤土小学校前、熊野前)があり、平成27年3月14日、JR東北本線(宇都宮線)・高崎線・常磐線と東海道本線を相互直通運転する上野東京ラインが開業し、都心への利便性は更に向上した。また、バス路線(都バス、コミュニティバス)も日暮里駅、南千住駅を起点として路線網が充実しており、遠いところでも1.2km程で最寄り駅に出られることから、交通の便に優れた区となっている。

荒川区内の道路は、国道1路線(国道4号線「日光街道」)、都道8路線(458号線「小台大通り」、58号線「尾久橋通り」、313号線「尾竹橋通り」、306号線「明治通り」等)の幹線道路と975路線の特別区道等が縦横に走り、道路交通網は十分に満たされている。平成29年3月31日現在、荒川区内の都市計画道路は約37.2kmが都市計画決定されており、そのうち約60%が完成している。補助第90号線、補助第321号線、補助第331号線が事業中である。

上水道、都市ガス、下水道の普及率は100%である。荒川区は東京都環境確保条例の指定区域であり、また工業用水法指定区域となっていて、地下水の揚水規制の代替として昭和39年(1964)から工業用水の供給が行なわれている。この工業用水は工場の地方移転により、需要が減少していることもあり集合住宅のトイレ洗浄用水としても昭和51年(1976)12月から供給されている。

町屋駅・南千住駅周辺に大型商業施設が見られるとはいえ、荒川区内の商業地の特徴としては区内各地域に分散した小規模小売店舗の集積した商店街の多いことに特徴がある。荒川区内の商店街の多くは日用食品、雑貨、衣料品等を扱う近隣商業地域で、これら商業地域における商店会として大きなものは、三の輪銀座商店街振興組合、荒川銀座商和会商店街振興組合(町屋)、熊野前商店街振興組合などがある。平成28年5月には南千住4丁目にロイヤルホームセンタ南千住店(売場面積6,970u)がオープンした。

商業統計調査(卸売・小売業、平成26年)によれば、卸売業の事業所数609(前回比−26.8%)、従業者数5,857人(前回比−10.5%)、年間商品販売額389,453百万円(前回比−4.5%)、小売業の事業所数1,207(前回比−35.5%)、従業者数6,957人(前回比−25.6%)、年間商品販売額106,207百万円(前回比−22.5%)であり、いずれも前回比で下回っている。商店街の問題点としては、後継者不足、スーパー・大型店の影響で集客力が不足、集客核がない等が挙げられている。50店舗以上の集積度をもつ商店街(商店会非加盟店を含む)は、日暮里駅前、南千住駅周辺を除けば都電荒川線沿線にあり、都電沿線の居住者を顧客層とした商圏を形成している。他の商店街も周辺住民の日用食品等を扱うものが多く、商圏は徒歩圏内の住民が主である。

平成29年6月1日現在、市街化区域の面積は970.1ha(うち高度利用地区58.4ha)、用途地域の内訳は住居系地域約11.6%、商業系約22.1%、準工業地域約61.3%、工業地域約5.0%である。荒川区内の近年完了した市街地再開発事業は、南千住西口駅前地区第一種市街地再開発事業(組合施行、地区面積約0.8ha、平成24年3月事業完了済)、三河島駅前南地区第一種市街地再開発事業(組合施行、地区面積約0.5ha、平成27年9月事業完了済)であり、また、都市計画決定に向けて準備中の事業として、西日暮里駅前地区第一種市街地再開発事業(組合施行予定、地区面積約2.3ha、平成30年度都市計画決定を目標)、三河島駅前北地区第一種市街地再開発事業(組合施行予定、地区面積約1.5ha、平成30年度以降に都市計画決定予定)がある。
荒川区では「幸福実感都市あらかわ」を区の将来像として目指しており、そのうちの一分野である子育て教育都市を実現するため、国家戦略特区制度を活用し、平成29年4月、都立汐入公園内に「にじの森保育園」を開設、平成30年4月に学童も開設予定である。また、平成29年3月26日には荒川2丁目に約60万冊の蔵書規模の中央図書館等から構成される「ゆいの森あらかわ」がオープンし、都内唯一の区立遊園地で荒川区の貴重な観光資源の一つである「あらかわ遊園」も老朽化が進んだため、開園70周年の平成32年に向けて改修工事の計画が進められている。以上のほか、南千住駅東側の地域において南千住地区住宅市街地総合整備事業が平成6年の大臣認可を受けて進められている。ここ20〜30年の間に、区内の大中の工場は地方に移転し、その跡地は大規模都市公園、中高層共同住宅、教育施設等に変わった。近年では日暮里駅、南千住駅周辺での大規模市街地再開発も進められ、町屋駅周辺商業地の活性化などもあり、環境の改善も進んでいることから、将来的には都心への交通利便性や環境の良い住宅都市になっていくものと思われる。