平成15年3月〜4月
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−熟成ぬか床で健康になりま専科−バックナンバー

2003.3.4 やよい1週号 「腸美人は健康美人」
健康の源は腸にありとは良く知られている所です。また腹黒いという言葉も耳にします。
腸内に腐敗菌が増殖すると便(老廃物)は黒褐色になり悪臭を放ってきます。
腹黒いとは、腸が不健康な状態を指しているのではないでしょうか。
さて、腸内には良い菌悪い菌が数えきれなく生存しています。その菌は、日々正義の勇者と
悪者にわかれ腸道の確保をめぐり激しい攻めぎ合いを繰り広げています。
勇者が優勢の時は腸道の秩序は維持され、老廃物は便となってスムーズに体外に
押し出されます。
しかし、少しでも勇者の勢力が弱まると途端に悪者(腐敗菌)が腸内に蔓延り、増殖し
その毒素が体中に回り吹出物や肌荒れ、しいては発ガン物質までも発生させる原因に
なってしまいます。加えて正義の勇者は、悪者と異なり腸内には1週間しか留まることが
できませんので、日々増援部隊を送り続け、悪者が老廃物を道に撒き散らし渋滞させる
のを阻止しなければなりません。
その正義の勇者の名前は?そうです。それは、乳酸菌そのものなのです!
腸内の乳酸菌が増えるに従い体質は徐々に6ヶ月までの乳児に近づきます。
肌は弾力の有るモチモチしたもち肌、顔はつやつやした明るい健康美人!
乳児が病気にならないのは腸内細菌がほとんど乳酸菌であるからと謂われています。
成人になると、腸内の乳酸菌と腐敗菌のバランスが崩れやすくなるので、注意が肝要
です。
編集後記:この間都会ではすっかり姿を消し観られなくなった朝霧に遭遇し一寸
      感動を覚えました。
2003.3.11 やよい2週号 「植物性乳酸菌
乳酸菌と聞くと一般に知られているのはヨーグルトです。
ヨーグルトは牛乳から創られたもので動物性です。
一方、熟成ぬか床で創られた乳酸菌は勿論、植物性です。
乳酸菌はぬかヅケと共に食されるわけですが、腸に辿りつくまでに胃の強酸を潜り抜ぬけ
なければなりません。
強酸に耐え生きたまま腸に辿りついた乳酸菌は、腸内でもすでに取り込まれている糖分を
分解し乳酸を創り出します。
この乳酸は腸内に棲みついているワルの大腸菌など腐敗菌を監視し腸内に蔓延るのを阻止
し、監視、腸内の治安の維持に貢献しているのです。

生きた乳酸菌の数が多ければ多いほど腸内の治安が保たれるのは当たり前の事ですが
胃酸にやられ腸に届いた乳酸菌の亡骸は生きている乳酸菌の餌になり乳酸菌の元気を
持続させ、その役目を立派に果たしています。

ここで注目されることは熟成ぬか床で創られた乳酸菌は胃酸に大変強いという事です。
動物性のモノは3分の1しか生き延びて腸に到達できないのに植物性の乳酸菌は3分の2まで
生き残り腸まで辿りつく事が出来るのです。

もう一つ熟成ぬか床の強さの1例としてふぐの卵巣ぬかヅケを挙げることが出来ます。
ふぐの卵巣は青酸カリの1000倍もの毒性があります。
これをぬかヅケにするとその毒(テトロドトキシン)ヲ植物性乳酸菌が食べてしまい無毒にして
しまうのです(解毒発酵:小泉武夫先生)。
世界でも珍しいこの卵巣のぬかヅケは、金沢市の海側大野・金石地区 美川町や
能登半島あたりで食することが出来ます。
熟成ぬか床で創られたぬかヅケを食べて腸の健康を保ちましょう。
編集後記
今年はまだ花粉症の症状が現われません。
伊藤洋一さんのホームページで知った赤シソジュースを飲んでいるせいか
トシを重ねたせいか?

2003.3.18 やよい3週号「カプサイシン
カプサイシンは赤唐辛子に含まれている辛味成分の事です。
あの赤いモノが、辛さの素かと思いがちですが、そうではありません。
カプサイシンは白色です。あの唐辛子の赤は、カロチノイドという色素からできています。
よく赤唐辛子の効いたものを食べるとポッポ、ポッポしてきて大汗をかいた経験はありませんか?
この現象はカプサイシンが体内の脂肪分をエネルギーに変える代謝促進の働きをしている
からです。
赤唐辛子も舶来品です。唐の字がつくので、中国から入ってきたかと思いがちですが、実は
1543年鉄砲と一緒にポルトガルから伝来したものです。
中国に入ったのは17世紀に入ってからです。
日本伝来の歴史を遡る事50年前、コロンブスが1492年にアメリカ大陸を発見し、その翌年スペインに
赤唐辛子を持ち帰ったのが、日本はじめ世界に広がるきっかけになりました。
この辛味成分は血中の中性脂肪を下げる効果、循環器系のコレステロール値を低下させる効果が
あります。
また、カプサイシンは血圧とは全くの無関係で激辛食を食べても血圧は上がらず無関係です。
それより興味深いことは知覚・神経機能を活性化させる効果・言い換えるとボケ防止に
お役立出来ることです。
なお、キムチは13世紀頃から朝鮮半島でつくられたと文献にありますが、
赤唐辛子が朝鮮半島に伝わったのは17世紀後半の事で、その後、カプサイシン(唐辛子)
が、キムチに取り入れられ素晴らしいキムチ文化が花開いたわけです。
韓国の方に、肥満の人を見つけるのが難しいのは、まさにキムチの無形文化財といえるのでは
ないでしょうか。

熟成ぬか床をお持ちの方は今度、少し多めに赤唐辛子を入れぬかヅケを食されたら
如何でしょうか
スリムで、頭脳明晰、健康な日々を過ごす事、請け合いです。

編集後記
辛味の少ないピーマンが赤唐辛子と同じナス科とはつい最近まで知りませんでした。
ピーマンはコロンブスがアメリカから持ち帰った以降、主に欧州で食材として使われて
いたそうです。

2003・3・25 やよい4週号「植物繊維」
一般には、食物繊維と謂われるものです。
以前、この繊維は単に満腹感を得るのみで無用の長物といわれてきました。
ところが、最近になって、6番目の栄養素・別名腸道の掃除やさんとして注目される様になりました。
腸道に掃除やさんの姿が見られなくなるとゴミは表、裏通り構わず放置され、散らかしっぱなし
になると、ゴミ悪党は宿便に変身! 健康を害するようになります。

植物繊維は、野菜に多く含まれています。それが、体内に摂り入れられると、水分を含み、
スポンジ状の清掃請負人となり、腸道を一杯に広がり路地裏(ヒダ)まで、擦るようにゴミを清掃、
余分なコレステロールや余ったナトリゥムも吸着しつつ活動し、体外に一緒に連れ出してくれます。
きれいになった腸道は、晴れやかに着飾った乳酸菌のパレードで賑います。
植物繊維に、毎日清掃をお願いするには、1日当り25gは必要と謂われていますが、現在の
平均は16g位だそうです。
熟成ぬか床から創られた植物繊維一杯のぬかヅケを毎日、摂りましょう。

編集後記
やはり、月日は百代の過客なのでしょうか、サクラも咲きだし季節はもう4月です。

2003・4・1卯月1週号「江戸患いと森鴎外

17世紀〜18世紀の初め(元禄〜享保年間)にかけて、江戸で生活している住民に足が浮腫んだり
しびれたり、時には心臓まで弱まる原因不明の風土病が発生し、人々を大変困らせました。
この風土病と呼ばれる病気は、米ぬかに含まれるビタミンb1不足による脚気だったのです。
江戸時代に入り精米技術が急速に進み白米(銀シャリ)を食べるようになったのが原因でした。

精米技術が進歩するにつれ米ぬか利用の知恵も生れました。
米ぬかを活用し創作されたのが日本固有のぬか床です。
ぬか床で創られたぬかヅケを食していた人は江戸患いとは無縁だったのは当然の事でした。

明治維新後もこの風土病は一向に無くならず、直す研究は続きました。
しかし、原因解明がされるまでには、20世紀の初めまで待たなければなりませんでした。

当時は陸海軍の軍医同士の熾烈な勢力争いも背景にあり、解明の遅れた一因ともなっていた
と思われます。
海軍が栄養欠陥原因説を唱えたのに対し、ドイツ帰りの森林太郎(鴎外)率いる陸軍軍医は
黴菌説を主張、海軍説を徹底的に罵倒し続けたのです。

海軍が兵士に麦飯を食わせ脚気を解消させたのに対し陸軍は黴菌を発見することの無いまま
兵士に国威発揚の掛声のモトたらふく銀シャリを食べさせました。しかし、一向に脚気はなく
なりませんでした。
日露戦争での陸軍苦戦原因の遠因にあげられている事は、あまり知られていません。

明治44年(1911年)鈴木梅太郎が米ぬかから脚気に効くオリザニンを発見、同時期に
ポーランドのフンクが、ビタミンb1不足が原因である事を発表し3世紀に亘る風土病解明に終止符
が打たれました。
それにしても、森鴎外フアンにとっては口惜しい出来事ではあります。
最近、ハンバーグやチップス好きの若い人に脚気が流行っていると聞きます。
ぬかヅケを日々食し脚気を追放しましょう。

編集後記
畔に蕗のトウを見つけました。
刻んで味噌と混ぜアルミホイールで包み焼きました。
食べて美味しく春の香り一杯でした。
2003・4・8卯月2週号「身体が錆びる」
錆びると聞けば、すぐ鉄が錆びて、ボロボロになった状態を思い浮かべます。
こういう現象は他にも沢山あります。
例えば、リンゴの皮を剥いて放置しておくと変色したり、てんぷらを揚げた油が黒ずんでドロドロ状態
になるのもみんな錆びるという現象です。

錆びは酸素によって酸化した状態の事をいいますが、人の細胞も酸素によって酸化即ち錆びて
いきます。朝起きて疲れが残っているとか、無理が利かなくなったというときは、錆びが溜まり
出したときで、その積み重ねが老化に結びついて行きます。

身体を錆びさせる犯人は活性酸素と呼ばれるものです。
人は1日平均2〜300gの酸素を吸収します。そのうち1%、2〜3gが特に強い酸化力を持つ酸素
即ち活性酸素に変身します。
人は生きていく上で、酸素は必要不可欠です。
しかし、何年も吸い続けるとこの活性酸素は、雑菌やウイルスもやっつけますが良い細胞も傷つけ
それが原因で身体を傷つけ錆びさせ老化へと進ませるのです。

大事なことを忘れてはなりません。それは、老化は決して避けられない現象ですが、その錆びさせる
現象速度を鈍らせる事は可能なのです。
その救世主が抗酸化物質というものです。

熟成ぬか床を攪拌するとき手がつるつるすべすべした経験をお持ちの方が多いと思いますが、
これは、米ぬかに含まれる植物油によるものです。
この植物油に老化を遅らせる抗酸化物質というものが含まれています。

これがビタミンEです。
街で老け顔の人を見かけてことはありませんか?
ビタミンEが不足していますよ〜と心で伝えてあげてください!
ビタミンEは、熟成ぬか床に沢山含まれています。
熟成ぬか床で創られるぬかヅケを毎日食し若さを維持しましょう。

編集後記
4月8日はお釈迦様の誕生日です。
その日は、天から甘露が降ってきたという伝承から花祭りで祝いお釈迦様に甘茶をかける
ようになった由。この風習は江戸時代から始まったそうです。
2003・4・15卯月3号「PPKと健康寿命
PPKとは、ピンピンコロリと発音する造語で、健康寿命の代名詞にも使われております。
健康寿命とは、天寿を全うするその時まで元気に人間らしく生かされている寿命の事を
謂います。

因みに WHO(世界保健機関)調べで
         2000年     2003調べ
日本人
平均寿命   80.9才      81.9   (世界65.2)
健康寿命   74.5       75                でした。
その差 6〜7才は不幸にも何等かの原因で床に伏しているか後遺症を負って生活されている
事を現しています。

国内では長野県がPPKの里・健康長寿の県といわれ健康寿命への関心が大変高く、高齢者
の医療負担が全国最低を誇り、予防医学の面からもそれが証明されています。

さて、風邪は万病のモトといわれる一方、腸は健康の鏡として、万病予防に大きな役割を果たして
います。その役割の一端を担っているのが熟成ぬか床から創られたぬかヅケです。

江戸時代からぬかヅケ文化が日本に定着し長い間、御飯に味噌汁それにぬかヅケが日本の
食卓の定番として日本人の健康を支えてきました。
諸々の病の予防には欠かせない健康食品です。
便秘症の方は、騙されたと思って熟成したぬか床を小シャジ一杯、寝る時食して見てください。
便秘の解消は解消に向う筈です!

毎日ぬかヅケを食しピンピンコロリを願ってピンコロ人生(サイボク・笹崎龍雄氏)を
謳歌しましょう。

編集後記
昨年のサラセン1位は確か「デジカメの餌は何だと孫に聞く」でしたね
ここで一句「メルマガが、熟成ぬかで福を呼ぶ」
お粗末
2003・4・22 卯月4週号「必須アミノ酸」
アミノ酸は旨味材としても使われますが、その実体は、誠に奥深いモノがあります。
アミノ酸は、1969年オーストラリアのマーチソンに落ちてきた隕石の中から「生命の源」として
一躍脚光を浴びました。
遥かな宇宙から生命が存在していた痕跡を知らされ夢とロマンをかき立てられました。

アミノ酸は、グルタミン酸など20種類に分けられます。
この20種類がいろんな形のブロックになって順序良く組合され構築されてできあがっている
のが良く知られているタンパク質です。

タンパク質は人間の体の20%を占める生存には欠かせない物質です。
そのタンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうち、体内では、どうしても11種類しか創る事ができ
のです。
従って、残りの9種類は体外からの応援が必要です
この9支援勇士が、”必須アミノ酸”と呼ばれています。
この20勇士のうち1勇士でも欠けるとタンパク質はできません。
それは、「生命の維持は不可能」を意味しています。

米食に不足気味の必須アミノ酸とかレジンは豆類に多く含まれ、豆類に少ないメチオニンは米に
多く含有しています。
お分かりのように永年日本人を支えてきたご飯と味噌汁( 豆・豆腐)それにぬかヅケは必須アミノ酸を
バランス良く摂取する上で理想的な食事だったのです。
同様に洋食におけるリジン・メチオニン不足気味パンとハムエッグ・牛乳等乳製品の組合せは
必須アミノ酸を摂る上でバランスのとれたものといえます。

タンパク質が不足すると肝機能障害とか栄養失調症になりますが、その一方で摂りすぎても
肥満や痛風の原因になります。
何事も度が過ぎると駄目ですね!

熟成ぬか床にきな粉を添加するのはぬかヅケから必須アミノ酸をバランス良く摂る上で、大変
効果的です。

編集後記
春の陽気に誘われて久し振りにグリーンの感触を楽しんだ。
良く腰が廻らない!
あらためて腸が健康の要なら、腰は体の要を実感!
只今運動不足注意報発令中!

2003・4・29 卯月5週号 腸炎ビブリオ菌
腹痛、下痢、嘔吐、発熱などをおこすこの菌を取り上げたのは熟成ぬか床に棲んでいる乳酸菌
同様に塩分好きという点でまんざら無縁でもないからです。

とは云うものの、この菌は正常な熟成ぬか床の状態では、決して生存する事は出来ません!
先ずはご安心下さい。

気温が上昇してくるにつれて、食中毒の季節に入ります。
この腸に悪さをするならず者は、珍しいことに塩を好み、塩分2%〜3%の海水が彼等の
快適生活環境なのです。
気温が15℃、海水温が20℃にもなると活発に動き出し魚や貝にとりついて台所までやってくる
ことがあります。

一寸話がそれますが、以前「つけもの」というと、しょっぱくて、食べすぎると高血圧や胃を傷めると
巷で云われた事もありましたが最近では、減塩増酸の声が行き渡り、熟成ぬか床でつくられた
ぬかヅケはサラダ感覚のモノまで出回る様になりました。

熟成されたぬか床は塩分が5%以上になると乳酸発酵を始めます。(5%〜8%が最適)
従って、熟成ぬか床の塩分濃度の範疇ではビブリオ菌は生存不可能です。
お分かりのように、どちらも塩分好みですが「ならず者ビブリオ」と「熟成ぬか床」とは塩分濃度で
棲み分けをしています。

ビブリオは、真水と酢にはからっきし弱く、仮に魚を捌いた後、水洗いしたまな板の上で一夜漬けの
塩もみを調理する時でも、一寸酢を添加するだけで、安心して食事を楽しむ事ができます。

編集後記
周りと調和しながら生活のできる人を「社会的健康人」(金平敬之助)といいます。
ぬかヅケを食べて社会的健康人を目指しましょう!