アリス
Alice(Neco z Alenky)


Neco z Alenky=Something from Alice
ヤン初の長編作品は「不思議の国のアリス」不気味バージョン。
アリスは人間の女の子が演技しているんだけど、クッキーを食べて小さくなると人形になってしまう所が凄い。ウサギの可愛くなさ、煮込まれて太ったアリス、蛙の舌、いも虫靴下など、見所はたくさん。
1988年にベルリン映画祭でワールドプレミア。
私のヤン初体験は「ファウスト」だと思っていたら、実は数年前にテレビで「アリス」が放映されていて、「何これ!!!」と思いつつ最後まで見ていたことが判明。不覚でした。「スイスかどこかの監督」という認識しかなかった。チャンネルは忘れたけど、これを、夜中とはいえ民放が流していたというのが変な気がする。→と思っていたら99年5月6日深夜に関西テレビが放映。これか。


スイス・西ドイツ・イギリスカラー85分セリフあり
制作=Condor Film(Zurich,Swiss),Hessischer Rundfunk(West Germany),
Film Four International(UK)
脚本・監督・デザイン=Jan Svankmajer
原作=Lewis Carroll
デザイン協力=Eva Svankmajerova
撮影=Svatopluk Maly
アニメーション=Bedrich Glaser
キャスト=Kristyna Kohoutova(アリス)本人の声の方が高くて子供っぽい。チェコ語、かわいい!
Camilla Power(英語版アリスの声)ちょっと大人っぽい。


アリス・帽子屋・三日月兎のティータイムでのやりとりで、チェコ発売のビデオにはあって、日本発売のビデオでは少しカットされている場面があります。
チェコ版
兎が帽子屋の体にバター時計を掛ける--帽子屋が紅茶を注ぐ--兎がまばたき後何か言う--アリスが机を見回す--兎が何か言う--帽子屋が「髪を少し切ったらどうだ」と言う
日本版
兎が帽子屋の体にバター時計を掛ける--帽子屋が「髪を少し切ったらどうだ」と言う

チェコ版
アリスが席を立つ--帽子屋が何か言う--兎がアリスの足を轢いて移動--アリスが出ようとすると「席はないよ!席はないよ!」
日本版
アリスが席を立つ--兎がアリスの足を轢いて移動--アリスが出ようとすると「席はないよ!席はないよ!」

二場面とも飲酒(ワイン)に関するセリフらしく、アメリカ発売のビデオでは最初のは
"Have some wine"(兎)
"I don't see any wine"(アリス)
"There isn't any"(兎)

次のは
"Pour yourself a glass of wine"(帽子屋)
と言っているらしいです。一応子供向け映画という事で日本ではカットされてしまったのでしょう。子供向けってアンタ・・
また、日本のビデオにある字幕「大ガラスが書きもの机を好むわけが分かるか」は、"Why is a raven like a writing-desk?"がルイス・キャロルの書いた原文で、英語版もそのとおりいっているので、「なぜ大ガラスは書き物机と似ているのか?」が正しい訳だということです。
私はアメリカ発売のビデオもここ数年のうちに発売された日本のビデオ・各国のDVD等も未確認なので上記の点について変更されているのかいないのか判らないのですが、「アリス」をどの国のビデオ(もしくはDVD)で観るかによって「微妙に変わる」というのは興味深いので、補足情報として載せることにしました。2000/5/8にBBSへ情報を頂いたてつ様、2003/1/6に同じくBBSへ情報を頂いたFUKU様に御礼申し上げます。ありがとうございました。

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